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えでぃっと!―ライトノベルの本当の作り方?! (一迅社文庫 み 4-1) (2009/09/19) 箕崎 准 商品詳細を見る |
◆基本データ
著者:箕崎 准
イラスト:蒼魚真青
出版:一迅社文庫
初版:2009/9/19
世界観:現代、学園、旅館、職業モノ
主要人物:高校生、美少女、ライトノベル作家、イラストレーター、編集者
ジャンル1:ラブコメ
ジャンル2:職業モノ
キーワード:ライトノベル、作家、イラストレーター、パクリ、パロディ
対象:にわかオタ向け
◆あらすじ(amazonより抜粋)
僕の名前は羽沢雛太。中学三年生の時に一迅社文庫大賞を受賞し、今ではラノベ作家と学生、二足の草鞋を履く高校生。
そんなある日、僕の担当編集さんが変わると連絡が届き、やってきた新担当は僕と同じ、高校一年生の美少女、片桐文香だった。新担当との息の合わない二人三脚で文香を振り回してしまい何度も泣かせししまう自分に自己嫌悪。僕ってそんなに酷い作家だったのか……。
さらに、次の新作のイラスト担当まで同じ学校の天才イラストレイターと判明して新たな事件が……。
作家どころか編集者視点も入れてしまった、初のライトノベル業界総合コメディついに登場!
僕の名前は羽沢雛太。中学三年生の時に一迅社文庫大賞を受賞し、今ではラノベ作家と学生、二足の草鞋を履く高校生。ある日、僕の新担当としてやってきた編集者は、僕と同じ高校一年生の美少女、片桐文香だった。ぎこちなく息の合わない二人三脚で文香を振り回してしまう自分に自己嫌悪。僕ってそんなに酷い作家だったのか…。さらには次回作のイラストレーターが同じ学校の芸術科に通うお嬢様。宝泉院弓佳だと判明して、また新たな騒動が…。そろそろ次の新作を書かなきゃいけないんだけど…僕の夏休みはいったいどうなるの!?毎日が大騒ぎのライトノベル業界ドタバタ・ラブコメディ、堂々のシリーズスタート。
◆評価
総評:不快作
総点:22
ストーリー:2
文章:3
キャラ:1
意外性:1
世界観:1
テンポのよさ:5
オリジナリティ:1
ネーミング:2
背景:2
イラスト:4
その他:超展開ワロス
◆書評
不快作とは評したけれど、それほど不快にはなりませんでしたよ。しかしながら、個々を評価していくとなぜか点数が伸びません。0点がないのはひとつの妥協と思ってください。人によってはこれは酷すぎると思って、0点を下すかもしれません。逆にそれがツボった人は10点を与えるかもしれません。俺の感覚と経験からこのような点数を評価しています。
ストーリーですが、特に物語を楽しもうという気がない人は気にならない程度のものです。ストーリーというより、シーンごとによさがある作品です。シチュ萌えの方にはストライクでしょう。ただし、展開はどうしてこうなったのだろうか思いました。……まあ、その原因はキャラクターにあると思うのですが。また、クライマックスがありませんし、オチもありません。坦々と描かれた状況を見過ごしていくと、気づけば終わっていた……、というのは読了後の最初の感想です。日常が綴られていて、そこに「(胸を)当ててんのよ」とか「一緒にお風呂」とか「ジュースだと思ってお酒飲んじゃう」といったお決まりの萌えシチュが何個か挿入されています。しかもどれもこれもが、先を予想したとおりに起こってしまいました。意外性が皆無なんですよね。王道とも違うし、だからといって変わった展開というわけでもない。同時に二番煎じ感も否めません。最近は主人公やヒロインに変わった職業(作家、声優、etc...)をさせるという系統の作品群が確立されてきました。これもそういった作品群のひとつです。
文章はところどころにミスが見受けられました。そこは人間ですから、失敗のひとつやふたつは仕方ないので、文章がどうたらで減点はしません。でも、これだけ点数が低いのは文章自体が、面白くないことに起因しています。一口に面白い文章といいましても、この作品に見合った文章かどうかということです。この作品は仮にもラブコメですし、軽い文体にしてもよかったと思います。いえ、作品の文章は重いわけではないのですが、非常に坦々としていて特筆するところがありません。敢えて言えば、一人称のよさを潰した文章ですね。一人称で書く作品は基本的に視点移動をしないことが多いです。なぜなら、一人称という限られた視点によって、その視点の持ち主の目線で物事を見れるからです。一人称だからこそ、視点者以外の考えていることが分からないことことのほかにも、実は視点者は人間じゃなかったとか奇をてらったものまで多くの有効利用の幅があります。しかし、この作品はそういった一人称のよさを全て潰しています。どちらかといえば神視点の書き方に近いのかもしれませんが、神視点のよさも使えていません。神視点のよさは(あくまで一例ですが)登場人物同士の考えていることがすべて分かってしまうことです。両者の勘違いを芸人さんのコントなどで見かけますよね。あれは俺たち視聴者が勘違いをしていることを分かっているから笑うことが出来ます。そう、これが神視点です。ですが、この作品は一人称の視点をちょこちょこ変えているので、神視点ではないんですよね。それに、視点移動の有無は大きく物語に関連していないので、主人公以外の視点は必要ないと思います。これらを踏まえて、ドタバタラブコメに見合った文体かといえば、そうでなく非常に落ち着いた無味無臭の文体です。パロディに力を使いすぎて、そういったところまで気が回らないことはないと思うんですが、いったいどうしたのでしょう。作者の箕崎准さんはエロゲーのシナリオも手がけてるというのに、どうしてこのようなことになってしまったのでしょう。
はい。キャラは陽菜というキャラがいます。この人は言動がいつでもイレギュラーです。人間として考え方がおかしかったりと、意味不明なキャラです。他のキャラクターもあまりに記号的過ぎて、人間味がしません。生きている感じがしません。フィクションの中に主人公くらい常識人がいるもので、この作品も例外ではないのですが、主人公の言動も物語のために動かされているような印象を受けました。作者の都合のいい人形の茶番を見せられても面白いはずがありません。主要人物の数は5人ですね。まあ、一般的な人数設計ですけど、いかんせん書ききれていません。作家、人気イラストレーター、女優の卵、ロリ編集者、神様(!?)というパーティです。すごく……神様が、浮いています……。神様はこの作品において、重要な役割はありません。編集者とレーター、女優の卵はそれなりに出番はあります。ですが、いちばんのヒロインは女優の卵ということになっているようですが、なぜか主人公はサブキャラとの愛をはぐくむような行動を取ります。これは先が読めない展開ではなく、空気の読めない展開です。ある程度、読者の期待に沿うように作品を書くものですが、残念なことに期待なんて悪い方向に裏切られました。まじめなライトノベル業界とは裏腹にわけの分からない人物がいるのは明らかに不自然です。
本作はパロディをふんだんに使っております。しかし、あまりに多すぎます。だいたいのソースは分かりますが、ネタに走りすぎて物語が見えません。もはやパクリの領域。作品そのものが「R−15」「ライトノベルの楽しい書き方」の二番煎じですし、ネタが被ってますし。タイトルから文章まで、なにからなにまでパロディです。自分のネタを少しは使ってもいいと思うのですが。
イラストは谷川流が一次選考落ちなのに拾い上げをされた「学校を出よう」シリーズを書いた絵師さんです。イラストの数が多いですね。でも、可愛くない絵柄ですね。それと、あるべきところにイラストがあるこの作品は悪くないと思います。中盤過ぎほどから絵が激減するので、絵がないと読めないという人はあきらめてしまうかもしれません。
追記(10/2)
コメントくれた方、ありがとうございます。
女優の卵の陽菜がいちばんのヒロインというのは間違いです。主人公がいちばん好意(恋愛対象としてではなく、単に自分に必要な人として)を向けている相手が陽菜です。表紙を飾っているのは編集者と絵師ですから、この二人が作品で示したいメインのヒロインですね。
間違った記述をして申し訳ありません。
しかし、過去の約束などがあり、主人公も陽菜のために行動することが多い点から、いちばんのヒロインは陽菜ではないかと俺は思います。絵師との絡みもありますが、編集者との絡みはあまり重要に書かれていない(襲ってしまえホトトギス的な展開はありましたが)ように思いますね。神様も同じように主人公のよきパートナーのような存在として扱われていますので、こちらもメインではなさそうな印象を受けました。絵師は最後にいいところを持っていきましたが、陽菜ほど深く書かれているようには思えませんでした。落ち込んでいるときに励ましてもらったのはうれしかったことと一緒に夢を叶える約束をしたことは、後者のほうが重みがあると分かります。
このことより、陽菜がいちばんのヒロインと記述しました。俺の私見であることをすっかり書くことを忘れていました。
申し訳ありません。
不快作とは評したけれど、それほど不快にはなりませんでしたよ。しかしながら、個々を評価していくとなぜか点数が伸びません。0点がないのはひとつの妥協と思ってください。人によってはこれは酷すぎると思って、0点を下すかもしれません。逆にそれがツボった人は10点を与えるかもしれません。俺の感覚と経験からこのような点数を評価しています。
ストーリーですが、特に物語を楽しもうという気がない人は気にならない程度のものです。ストーリーというより、シーンごとによさがある作品です。シチュ萌えの方にはストライクでしょう。ただし、展開はどうしてこうなったのだろうか思いました。……まあ、その原因はキャラクターにあると思うのですが。また、クライマックスがありませんし、オチもありません。坦々と描かれた状況を見過ごしていくと、気づけば終わっていた……、というのは読了後の最初の感想です。日常が綴られていて、そこに「(胸を)当ててんのよ」とか「一緒にお風呂」とか「ジュースだと思ってお酒飲んじゃう」といったお決まりの萌えシチュが何個か挿入されています。しかもどれもこれもが、先を予想したとおりに起こってしまいました。意外性が皆無なんですよね。王道とも違うし、だからといって変わった展開というわけでもない。同時に二番煎じ感も否めません。最近は主人公やヒロインに変わった職業(作家、声優、etc...)をさせるという系統の作品群が確立されてきました。これもそういった作品群のひとつです。
文章はところどころにミスが見受けられました。そこは人間ですから、失敗のひとつやふたつは仕方ないので、文章がどうたらで減点はしません。でも、これだけ点数が低いのは文章自体が、面白くないことに起因しています。一口に面白い文章といいましても、この作品に見合った文章かどうかということです。この作品は仮にもラブコメですし、軽い文体にしてもよかったと思います。いえ、作品の文章は重いわけではないのですが、非常に坦々としていて特筆するところがありません。敢えて言えば、一人称のよさを潰した文章ですね。一人称で書く作品は基本的に視点移動をしないことが多いです。なぜなら、一人称という限られた視点によって、その視点の持ち主の目線で物事を見れるからです。一人称だからこそ、視点者以外の考えていることが分からないことことのほかにも、実は視点者は人間じゃなかったとか奇をてらったものまで多くの有効利用の幅があります。しかし、この作品はそういった一人称のよさを全て潰しています。どちらかといえば神視点の書き方に近いのかもしれませんが、神視点のよさも使えていません。神視点のよさは(あくまで一例ですが)登場人物同士の考えていることがすべて分かってしまうことです。両者の勘違いを芸人さんのコントなどで見かけますよね。あれは俺たち視聴者が勘違いをしていることを分かっているから笑うことが出来ます。そう、これが神視点です。ですが、この作品は一人称の視点をちょこちょこ変えているので、神視点ではないんですよね。それに、視点移動の有無は大きく物語に関連していないので、主人公以外の視点は必要ないと思います。これらを踏まえて、ドタバタラブコメに見合った文体かといえば、そうでなく非常に落ち着いた無味無臭の文体です。パロディに力を使いすぎて、そういったところまで気が回らないことはないと思うんですが、いったいどうしたのでしょう。作者の箕崎准さんはエロゲーのシナリオも手がけてるというのに、どうしてこのようなことになってしまったのでしょう。
はい。キャラは陽菜というキャラがいます。この人は言動がいつでもイレギュラーです。人間として考え方がおかしかったりと、意味不明なキャラです。他のキャラクターもあまりに記号的過ぎて、人間味がしません。生きている感じがしません。フィクションの中に主人公くらい常識人がいるもので、この作品も例外ではないのですが、主人公の言動も物語のために動かされているような印象を受けました。作者の都合のいい人形の茶番を見せられても面白いはずがありません。主要人物の数は5人ですね。まあ、一般的な人数設計ですけど、いかんせん書ききれていません。作家、人気イラストレーター、女優の卵、ロリ編集者、神様(!?)というパーティです。すごく……神様が、浮いています……。神様はこの作品において、重要な役割はありません。編集者とレーター、女優の卵はそれなりに出番はあります。ですが、いちばんのヒロインは女優の卵ということになっているようですが、なぜか主人公はサブキャラとの愛をはぐくむような行動を取ります。これは先が読めない展開ではなく、空気の読めない展開です。ある程度、読者の期待に沿うように作品を書くものですが、残念なことに期待なんて悪い方向に裏切られました。まじめなライトノベル業界とは裏腹にわけの分からない人物がいるのは明らかに不自然です。
本作はパロディをふんだんに使っております。しかし、あまりに多すぎます。だいたいのソースは分かりますが、ネタに走りすぎて物語が見えません。もはやパクリの領域。作品そのものが「R−15」「ライトノベルの楽しい書き方」の二番煎じですし、ネタが被ってますし。タイトルから文章まで、なにからなにまでパロディです。自分のネタを少しは使ってもいいと思うのですが。
イラストは谷川流が一次選考落ちなのに拾い上げをされた「学校を出よう」シリーズを書いた絵師さんです。イラストの数が多いですね。でも、可愛くない絵柄ですね。それと、あるべきところにイラストがあるこの作品は悪くないと思います。中盤過ぎほどから絵が激減するので、絵がないと読めないという人はあきらめてしまうかもしれません。
追記(10/2)
コメントくれた方、ありがとうございます。
女優の卵の陽菜がいちばんのヒロインというのは間違いです。主人公がいちばん好意(恋愛対象としてではなく、単に自分に必要な人として)を向けている相手が陽菜です。表紙を飾っているのは編集者と絵師ですから、この二人が作品で示したいメインのヒロインですね。
間違った記述をして申し訳ありません。
しかし、過去の約束などがあり、主人公も陽菜のために行動することが多い点から、いちばんのヒロインは陽菜ではないかと俺は思います。絵師との絡みもありますが、編集者との絡みはあまり重要に書かれていない(襲ってしまえホトトギス的な展開はありましたが)ように思いますね。神様も同じように主人公のよきパートナーのような存在として扱われていますので、こちらもメインではなさそうな印象を受けました。絵師は最後にいいところを持っていきましたが、陽菜ほど深く書かれているようには思えませんでした。落ち込んでいるときに励ましてもらったのはうれしかったことと一緒に夢を叶える約束をしたことは、後者のほうが重みがあると分かります。
このことより、陽菜がいちばんのヒロインと記述しました。俺の私見であることをすっかり書くことを忘れていました。
申し訳ありません。
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