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◆基本データ
著者:大西科学(HP:http://onisci.com/)
イラスト:refeia(HP:http://q-orbit.jp/)
出版:GA文庫
初版:2008年7月31日
ジャンル:歴史ファンタジー
◆評価
ストーリー:3
文章:3
キャラ:4
意外性:0
総評:C+
その他:牛「うぼーう」
◆あらすじ(GA文庫公式サイトより抜粋)
「ここに浮船があるでしょう――そのフネ、私にください」
突然やってきた少女の、あまりに突拍子もない申し出に、雪平はしばらく返事ができなかった。
浮船――空に浮かぶ不思議な生物「浮鯨」から採れる器官「浮珠」を利用した空中船が、たしかにこの事務所には一隻ある。だが、もちろんそれは気軽に人にあげたりもらったりできるものではないのだ。驚きつつも、とりあえず少女に詳しい事情を訊こうとする雪平。しかしそれは彼らにとっての大きな冒険の始まりだった。
戦争の始まった空、くじらの棲む成層圏の下で展開する、ボーイ・ミーツ・ガールストーリー。
◆書評
GAマガジンで読んで、おもしろそうだと思って買ったんだ。結果は、まあまあ悪くはない。だが、期待していたせいか、残念に思えたところが多くなった。
一番、いいところは、キャラクターだろうね。三人称一人視点で書かれた特筆するべきところのない、強いていえば、説明チックな文章は、いい按配に雪平のいいキャラを醸し出す。独り言が多かったり、かるく鈍感でまったりした落ち着きの有る、ゆえに読者に安心感を与えるキャラ性はよい。心の微細な動きというのも少なからずかけていたようにも思う。しかし、感動が少ない。そもそも感動させるシーンはなかったし。
ストーリーは『亡命物語』だ。日露戦争真っ只中のお話。中国から、朝鮮半島を渡り、日本へ帰る(逃げる?)という、逃走劇を描いたのだ。しかも、空路を船で渡るという幻想。ただそれだけ。それいがいに、キャラ同士のいちゃいちゃがあったとしても、私にはスルーされる。正直、ヤマとタニの落差が少ないので、ドキドキしない。それが面白くないというのには繋がらないからな。いちおう。
よって意外性はゼロ。
牛は「うぼーう」と蹄くらしい。