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◆基本データ
著者:藤本 圭
イラスト:Dite
出版:角川スニーカー文庫
初版:平成二十年九月一日
ジャンル:シリアス・現代ファンタジー
◆評価
ストーリー:2
文章:3
キャラ:2
意外性:2
総評:E
その他:処女作
◆あらすじ(webKADOKAWAより抜粋)
第12回 スニーカー大賞 《優秀賞》受賞作!!
最強魔導書、この手にあり!
グリモワール・ファンタジー登場!!
“本の声”を聞く能力を持つ、内気な少女・紙村綴。彼はその力で、借りた者が必ず死を遂げる呪いの本『嵐が丘』の
行方を追うことになる。とき同じくして、綴の前には“本の探偵”を自称する青年・猫目コウが出現。彼は、謎の書物
『N断章』の調査に、綴の特異能力を貸せと告げるが……。『嵐が丘』と『N断章』、2つの点が線となったとき、あ
る魔導書(グリモワール)を巡って16世紀から続く魔術大戦が幕を開ける――最強魔導書伝奇、ここに登場!!
◆書評
なんとなく優秀賞という肩書きに惹かれ買ったものの、これが角スニの優秀賞!?と驚いた。正直、つまらない。設定
としては面白い線をいっているので、最初のほうは楽しく読めた。だいたい四分目くらいから作者の技量がうかがえる
ところだ。ここで注目すべき点は、この設定をどう持っていくか、である。しかし、設定はうまく使われてなかったみ
たいだ。代わりに、ミステリチックな空気を漂わせた。
この設定についてなのだが、ラストの締めくくりに使われていた。なんとなく設定は設定のまま流れていったように思
えた。
ミステリチックなほう、これがまたわけがわからない。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐以下ネタバレ‐‐‐‐‐‐‐‐
犯人は本だった。嵐が丘上のヒースクリフの意識が、本に表れて、持つ者を操って嵐が丘下のキャサリンを奪う。つま
り、上巻をもっている人が、下巻をもっている人を殺しに行くのだ。
普通の本はそんなことはできない。『魔道書』だからできるんだそうだ。
で、下巻を別の人に渡して、すれ違いで渡した人が殺される、というのもこじ付け感があって気持ちが悪い。ご都合主
義の雰囲気が強いだろう。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ネタバレおわり‐‐‐‐‐‐‐
最近の角スニは暴走気味だと聞いていたが、これほどまでとは……。
いっそ、ハルヒ文庫にしたらどうだろうか(笑)