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クリスタル・エーテル第二話


裏話はない。

今日は朝からめんどくせー大人に絡まれて大変だった。
電車内で隣が3つも開いていたので、堂々と座って携帯で小説を見ていたら、やるおっぽい顔の人が俺の隣にどかりと座って、押して来た。押される前に堂々とではなく、普通にイスのくぼみに収まっていたんだけど、それでもおしてくるのよこのやるお。
それで、やるおの連れみたいな人に、
「今の高校生は足を閉じようともしない」
とか抜かしやがる。
見ろよ、荷物あんだろ。どうやって足閉じるんだと聞き返してーよ。
んで、次の瞬間、足を思い切り踏みつけてきた。
痛いわ。
最近買ったナイキのスニーカー汚れたような気がしたわ。
そこで俺も、
「なんですか?」
と訊ねたところ、
「邪魔なんだおっ」
ってやるおが洋ナシみたいな顔して言った。
「公共の場ですし……」
俺も緊張してて、覇気のない声で答えたが、マスクをしていたせいでくぐもり余計迫力に欠けていただろう。
「あ゛?」
どこのチンピラだよアンタ。やるおはすごい大きな声で車両内も静まり返り、なにかただならぬ空気をみな感じていたに違いない。
また押してきて、踏みつけた。
「譲り合いというのは」
そう訊ねて、俺は立ち上がった。
やるおは俺の立ち上がった空席に荷物を置いて、ひじをかけて睨んでくる。
「はぁ、そっすか……」
俺はなんかあきらめた。ここで冷静さを欠かさなかったのは自分でも驚いている。厨房の頃なら、バグってた。
んで、とりあえず開いている堰に移動した。俺の隣は、他校の女子生徒で、俺が近づくと席を空けてくれた、というよりは避けたようだ。
無理もない。
部活で仙台あたりに行く、ド田舎DQNがこっちを指差して笑いあってる。
朝から気分が悪くなる。
礼拝のとき、ちゃんとやるおが救われるように祈っておいた。もちろん彼が更生するのを望むが、死んでもらっても構わない。一番大切なのは、今朝の俺みたいな気持ちになる被害者をもう出さない方向になるように祈っていた。

今度は学校だ。
数学の教師がいるのだ。頭が毛の抜けた歯ブラシみたいなやつで、鼻がれれれのおじさんみたいな数学教師。以前、生徒を熱中症にさせて殺している。
そいつが俺に文句をつけてきた。
教師に関係のないレポート用紙を見て、これはレポートじゃない、と足蹴にした。
いや、お前の言うことじゃねーだろ。
と突っ込みたかった。
確かに、レポート用紙にじゃなくてルーズリーフに書いていたからそういわれてもしょうがないけど、お前に言われる筋合いねーよ。しかも、提出する先生は別にルーズリーフでも構わないって言ってたし。そのことを説明しても、こういうのみである。
「そういうことだ」
どういうことだよwwwwww
なんか、俺を怒ったら満足したらしく、どこかへ行ってしまった。ちなみに、俺の付近にいた友達にも、
「お前は目つきが悪い」
とか抜かしておった。なんだ、そのあてつけはっ!

マジ毎日が面白い。
ちょっと非日常なほうが好きだけど、毎日だと疲れると思う。
小説やゲームでどきどきするのも、その一環なんだろうなって思った。

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