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◆基本データ
著者:氷室冴子
カバー装画:古瀬稔
出版:新潮文庫
初版:1994/03/01
ジャンル:現代、日常
◆評価
ストーリー:2
文章:2+
キャラ:1
意外性:0
総評:D
その他:ちびまるこちゃん
◆あらすじ(新潮社より抜粋)
夢みる少女は冒険がお好き――。昭和四十年代の北海道で、小学校四年生のチヅルが友だちや先生、家族と送る、恋と涙の輝ける日々。
◆書評
ひとつひとつ話がバラけている。なんというか印象に残らなかった。
話がすべて一貫しているわけではないので、一番好きな話をひとつピックアップして書こうと思う。
黒い川、という話だ。
6さいも年上のいとこ克志のところへ出かけることになった主人公チヅル。中学三年の克志の住む場所は炭鉱。この炭鉱のなんともいいがたい情景というか明るさの背景に悲しみを含んだ町並みの描写が好きだった。
とくに川の描写。描写と言うか、克志の言い方がイイ!
「こんな川、ほんとに汚いさ。石炭洗ってるから、沈粉で真っ黒だ。したけど、水がきれいになったら、この町ダメになる。汚いのもダメ、きれいなのもダメ。なんもかんもダメなのさ、ここは」201P14−16Lより抜粋。
これは理解と言うよりも感じる言葉やなぁ。
とりあえず退廃的な感じがしたのもポイント。そこにいる人だから分かること、言えるセリフ。ちっともきれいなことばじゃないから、心に染み渡るのかなあ。
じぃんとはこないけど、読んで心がすっきりした。
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