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キーリ〈2〉砂の上の白い航跡 (電撃文庫) (2003/05) 壁井 ユカコ 商品詳細を見る |
◆基本データ
著者:壁井 ユカコ
イラスト:田上 俊介
出版:電撃文庫
初版:2003/05
世界観:異世界ファンタジー、荒廃した世界
主要人物:幽霊が見える少女、不老不死の青年
ジャンル1:スチームパンク
ジャンル2:冒険
キーワード:幽霊、帆船、砂の海、死の終着点
対象:中高生向け
◆あらすじ(amazonより抜粋)
14歳の少女キーリと“不死人”ハーヴェイ、そしてラジオの憑依霊・兵長は、“砂の海を渡る船”に乗ることに…。乗船前、町の海岸で、キーリは動いている3体の小さな人形達を見かけ、追いかけていく。繁華街を抜けて、その人形達が行き着いた先は、寂れた鍛冶屋だった。キーリが中を覗くと、店の主は一心不乱に作業をしており、その傍でロボットが器用に立ち働いていた。キーリは、そのロボットに招き入れられて店の中へ。しばらくして、その店の様子が変なことに気づき帰ろうとするキーリ。しかし…!?第9回電撃ゲーム小説大賞大賞受賞作の続編、登場。
◆評価
総評:佳作
総点:67
ストーリー:6
文章:9
キャラ:7
意外性:5
世界観:8
テンポのよさ:7
オリジナリティ:6
ネーミング:7
背景:6
イラスト:6
その他:王道
◆書評
考えるんじゃない、感じるんだ……!
俺はそう思いますね。SFや推理小説は頭で読むとしたら、この小説は心で読むんです、きっと。大体の作品が心に訴えてくる、感動をさせようとしてくる作品ばかりですが、今作は一際よく感動できる一作だと感じております。
本来は設定が好きで買った一冊の物語が意外にも(失礼ですが、本当にここまで良い話だとは思いもよりませんでした)面白い作品でした。
なにより雰囲気がいい作品ですよね。その雰囲気を醸し出すことができている文章は処女作の続編とは思えぬほどに巧い。改行が少なく、読みきるのには少々時間が掛かりますが、途中で飽きることはありませんでした。この作品独特の心に響く文章からは世界観ピッタリの雰囲気がにじみ出ています。
世界観の雰囲気はSFが発展しすぎて荒廃した惑星、という位置づけでしょうか。荒廃した世界は砂漠が広がり、強い宗教があります。強い宗教には必ず、倒すべき悪が存在しているもので、それが本作最大のイケメン野郎ハーヴェイです。俺、両生類だけどこんなイケメンな男に惚れてしまいそうになりました。若干ツンデレでもありますね、彼。
死、とか難しいことが転がっている世界。重く受け止めすぎず、軽く流すこともなくしっかりと作品に融合させています。バランスよく描かれていますね。俺は自分が死ぬなんて考えても、分からないからうまくは言えないのですが、もし自分が死を初めて理解したとき、作中のキーリのように錯乱してしまうかもしれません。どうして、錯乱するかは本編を見てくださいね。
結構、静かに物語が進むと思ったら、兵長(←ラジオです)が壊れてしまって、ギャグパートがなかったからですね。いや、ギャグではないですがちょっとしたうれしはずかしラブコメディが展開されていました。新キャラはキーリが好きで、ハーヴェイは嫉妬されてしまいます。まさに三角関係、まさにラブコメ! こういったものもありながら、やっぱりキーリはハーヴェイを信頼しているようです。100%の信頼ではないと思いますが、同時にハーヴェイもキーリのことを信頼しているし、心配もしています。
作中で少し笑ったシーンを上げます。
282P
ハーヴェイがちょっと死に掛けている時、場を和ます会話のあとの重要っぽい話。
キーリ(o゚▽゚)o「不死人って子供作れるの?」
ハーヴェイ(゚д゚)「は?」
キーリ(o゚▽゚)o「……」
ハーヴェイ「いやまあ作る行為だけならできるけど実際作れるのかは知」
(゚д゚)!!
キーリ(*゚ー゚)??「今私へんなこと訊いた……?」
ハーヴェイ(;´д`)「……いや、別に」
キーリ(*゚ー゚)??
これは笑いました。キーリ、誘ってんじゃねーよw
でも、二人の仲がちかづいているのは確定的に明らか。
イラストが一世代古い感覚を覚えますが、作風に合っててとても良いと思いますよ。
考えるんじゃない、感じるんだ……!
俺はそう思いますね。SFや推理小説は頭で読むとしたら、この小説は心で読むんです、きっと。大体の作品が心に訴えてくる、感動をさせようとしてくる作品ばかりですが、今作は一際よく感動できる一作だと感じております。
本来は設定が好きで買った一冊の物語が意外にも(失礼ですが、本当にここまで良い話だとは思いもよりませんでした)面白い作品でした。
なにより雰囲気がいい作品ですよね。その雰囲気を醸し出すことができている文章は処女作の続編とは思えぬほどに巧い。改行が少なく、読みきるのには少々時間が掛かりますが、途中で飽きることはありませんでした。この作品独特の心に響く文章からは世界観ピッタリの雰囲気がにじみ出ています。
世界観の雰囲気はSFが発展しすぎて荒廃した惑星、という位置づけでしょうか。荒廃した世界は砂漠が広がり、強い宗教があります。強い宗教には必ず、倒すべき悪が存在しているもので、それが本作最大のイケメン野郎ハーヴェイです。俺、両生類だけどこんなイケメンな男に惚れてしまいそうになりました。若干ツンデレでもありますね、彼。
死、とか難しいことが転がっている世界。重く受け止めすぎず、軽く流すこともなくしっかりと作品に融合させています。バランスよく描かれていますね。俺は自分が死ぬなんて考えても、分からないからうまくは言えないのですが、もし自分が死を初めて理解したとき、作中のキーリのように錯乱してしまうかもしれません。どうして、錯乱するかは本編を見てくださいね。
結構、静かに物語が進むと思ったら、兵長(←ラジオです)が壊れてしまって、ギャグパートがなかったからですね。いや、ギャグではないですがちょっとしたうれしはずかしラブコメディが展開されていました。新キャラはキーリが好きで、ハーヴェイは嫉妬されてしまいます。まさに三角関係、まさにラブコメ! こういったものもありながら、やっぱりキーリはハーヴェイを信頼しているようです。100%の信頼ではないと思いますが、同時にハーヴェイもキーリのことを信頼しているし、心配もしています。
作中で少し笑ったシーンを上げます。
282P
ハーヴェイがちょっと死に掛けている時、場を和ます会話のあとの重要っぽい話。
キーリ(o゚▽゚)o「不死人って子供作れるの?」
ハーヴェイ(゚д゚)「は?」
キーリ(o゚▽゚)o「……」
ハーヴェイ「いやまあ作る行為だけならできるけど実際作れるのかは知」
(゚д゚)!!
キーリ(*゚ー゚)??「今私へんなこと訊いた……?」
ハーヴェイ(;´д`)「……いや、別に」
キーリ(*゚ー゚)??
これは笑いました。キーリ、誘ってんじゃねーよw
でも、二人の仲がちかづいているのは確定的に明らか。
イラストが一世代古い感覚を覚えますが、作風に合っててとても良いと思いますよ。
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