扉の外〈3〉

扉の外〈3〉 (電撃文庫) (2007/09/10) 土橋 真二郎 商品詳細を見る

◆基本データ
著者：土橋 真二郎
イラスト： 白身魚
出版：電撃文庫
初版：2007/9/10
世界観：閉鎖空間、仮想世界
主要人物：高校生
ジャンル１：ゲーム
ジャンル２：学園
キーワード：ネトゲ、銃撃戦、不満のラスト
対象：中高生向け

◆あらすじ（amazonより抜粋）
「三つ目の扉をくぐり抜けゴールしたプレイヤーには、外への脱出と、その他副賞として豪華特典が与えられます。こぞって参加いたしましょう」。密室に閉じこめられた二年二組の生徒たちに、人工知能ソフィアを名乗る存在が、状況を打開する方法として提示したのは“オンラインゲーム”。とにかくやるしかない、とクラスで協力して、その“ゲーム”を進めているうちに謎めいた存在と接触することになり…!“誰”が“なんのため”に生徒たちを隔離したかがついに明らかに。シリーズ完結編、登場。

◆評価
総評：駄作
総点：３５
ストーリー：２
文章：４
キャラ：４
意外性：３
世界観：３
テンポのよさ：４
オリジナリティ：５
ネーミング：３
背景：４
イラスト：３
その他：謎は謎のまま

◆書評
　二巻と一緒にまんだらけで買ってきました。

　視点は話す言葉がキツいと思われている女子生徒・美鈴。イラスト見る限りではＣＬＡＮＮＡＤの智代に見えるのですが、イラストレーターが京アニの人ですから仕方ない。

　美鈴の仲間に沖田、真央がいます。
　二巻同様、物資がなくなった２組。ある時、オンラインゲームをプレイすればまた物資を買うことができるようになる、と運営のソフィアさん。配給停止になったことを負い目に感じている美鈴がその場を仕切る。
　ゲームの目的は３つの扉をくぐり抜けること。ルールはＨＰが０にならないこと、連続プレイ時間が２時間を越えないこと。武器は１０発入りの拳銃のみ。
　美鈴沖田、真央を筆頭に２組の生徒たちは少しずつゲームに没頭していく。
　そして、第一の扉をくぐることに成功。
　新しいフィールドには２組同様に収容された３組の生徒たちがいた。２組と３組には圧倒的な力の差があった。だから、お互いのクラスの生徒を人質にし、襲い合わないように協定を結ぶ。
　しかし、３組はそれを裏切り２組の生徒を奪還。美鈴は裏切りが許せず、３組を占拠。その時、３組のリーダー格だった伊集院を射殺。３組は２組の支配下に置かれた。
　同時に美鈴たちが閉じ込められている空間の外からアクセスしてきた人と接触。どうやら、世界は破滅しておらず、美鈴たちは拉致されたらしい。
　で、外の人たちは美鈴たち生徒を殺すことが目的らしい。
　外の人たちと協力しようとするが失敗に終わり、美鈴たちは命を狙われる。美鈴たちの仲間はみな、射殺されてしまう。そんな時、第二の扉をくぐることに成功。
　第二の扉の先には東京があった。そこでも銃撃戦に陥るが、美鈴は生き延びることに成功。第三の扉をくぐり、このゲームの真相を知る。
　なぜ閉じ込められたのか、なぜこのようなゲームをさせられているのか、先にクリア（？）した千葉、典子のことは一切触れず、まだゲームは終わらないことを示唆する。

　こんな感じ。
　終わり方が意味が分かりません。もっと話は続くはずだったところを、打ち切りにしたような印象です。
　盛り上がりにも欠けますし、これで最終巻だから駄作としか言いようがありません。

　物語自体そうなのですが、文章にも「人間は醜い生き物だ」とか「二者択一でしか生きていない」とかそう言った趣旨のことが書かれています。要するに厨二病です。

　主人公はこれまでとは違い、感情的なキャラクターです。しかし、結局は感情ではなく合理的な判断を下して物語を進行させていきます。その上、物語は完結できていない。
　チラチラと現れる仲間キャラは影が薄い。

　あとがきだが……、
　もうどうしようもないな。

　同一作家の別シリーズを俺はまだ持っている。くそ、中学生のときは楽しいと感じたこの本も、今となってはつまらないとしか思えないなんて、悲しすぎるよ。
　つーわけで、次回作に期待。