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◆電撃文庫
俺の妹がこんなに可愛いわけがない/伏見つかさ
境界線上のホライゾンⅠ上/川上 稔
MW号の悲劇/電撃文庫記念
ひかりのまち/長谷川昌史
座敷童にできるコト/七飯宏振
ブギーポップは笑わない/上遠野浩平
◆角川スニーカー文庫
黒猫の愛読書/堂本圭
神様ゲーム/宮崎柊羽
◆ガガガ文庫
AURA/田中ロミオ
◆MF文庫
神様家族/桑島由一
◆ファミ通文庫
〝文学少女〟と死にたがりの道化/野村美月
◇角川書店
らきすた6/美水かがみ
☆コナミ
クイズマジックアカデミーDS

『黒猫の愛読書』を読書中です。
次に読もうと思うものが決まっていません。
一応、『境界線上のホライゾン』を読もうと思いますが、意見がありましたら申し出てください。

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◆あらすじ
イマドキ女子中学生な妹の相談は、トンデモないものだった!?
 俺の妹・高坂桐乃は、茶髪にピアスのいわゆるイマドキの女子中学生で、身内の俺が言うのもなんだが、かなりの美人ときたもんだ。けれど、コイツは兄の俺を平気で見下してくるし、俺もそんな態度が気にくわないので、ここ数年まともに口なんか交わしちゃいない。キレイな妹なんかいても、いいことなんて一つもないと、声を大にして言いたいね(少なくとも俺にとっては)!
 だが俺はある日、妹の秘密に関わる超特大の地雷を踏んでしまった。まさかあの妹から“人生相談”をされる羽目になるとは──!?

◆感想
ジャンルはコメディだろう。
帯にあった『乃木坂春香の秘密』のようにヒロインが主人公に好意を抱いている、わけではなく、完全に見下している。というか、どうして春香が帯で
「とっても面白かったです。桐乃さんとお友達になりたいですはーと 乃木坂春香さんも大絶賛!!」
コメってんのー?
まあ、ラブコメだろうと思って購入に至ったわけだが、妹と恋愛を想像した僕が馬鹿だった。そんなもん、顔を赤らめるとか、そんなんで終わりだったああ。
∴コメディである。
しかし、幼馴染との絡みは恋愛っぽかった。でも、そんな幼馴染がいる時点で、主人公は日常にはいないだろー。
どこが面白かったのか。それが、また・・。春香も絶賛するように、彼女もオタクだからだ。それを隠すのも王道なわけ。でもって、清純な女の子とのギャップに苦しむ・・のは、春香のほうで。茶髪にピアスなイマドキな中学生がオタクなのである。彼女は妹なのだが、『妹モノエロゲ』が好きなのだ。エロはどうでもいいらしく、単にエロゲの妹が可愛いかえあ、だそうだ。それを兄にやらせるとか、まあ、いろいろミドコロはある。そこが面白いのだが、なんだろうな。。。話がベタで、落ちが読めてしまったのは少し残念だった。やはり、それは『王道』だからなのだろう。
シリーズ化されるそうで、続きがあるらしい。
僕的には、幼馴染との絡みの続きが知りたいので続刊を買おうと思う。

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◆あらすじ
イマドキ女子中学生な妹の相談は、トンデモないものだった!?
 俺の妹・高坂桐乃は、茶髪にピアスのいわゆるイマドキの女子中学生で、身内の俺が言うのもなんだが、かなりの美人ときたもんだ。けれど、コイツは兄の俺を平気で見下してくるし、俺もそんな態度が気にくわないので、ここ数年まともに口なんか交わしちゃいない。キレイな妹なんかいても、いいことなんて一つもないと、声を大にして言いたいね(少なくとも俺にとっては)!
 だが俺はある日、妹の秘密に関わる超特大の地雷を踏んでしまった。まさかあの妹から“人生相談”をされる羽目になるとは──!?

◆感想
ジャンルはコメディだろう。
帯にあった『乃木坂春香の秘密』のようにヒロインが主人公に好意を抱いている、わけではなく、完全に見下している。というか、どうして春香が帯で
「とっても面白かったです。桐乃さんとお友達になりたいですはーと 乃木坂春香さんも大絶賛!!」
コメってんのー?
まあ、ラブコメだろうと思って購入に至ったわけだが、妹と恋愛を想像した僕が馬鹿だった。そんなもん、顔を赤らめるとか、そんなんで終わりだったああ。
∴コメディである。
しかし、幼馴染との絡みは恋愛っぽかった。でも、そんな幼馴染がいる時点で、主人公は日常にはいないだろー。
どこが面白かったのか。それが、また・・。春香も絶賛するように、彼女もオタクだからだ。それを隠すのも王道なわけ。でもって、清純な女の子とのギャップに苦しむ・・のは、春香のほうで。茶髪にピアスなイマドキな中学生がオタクなのである。彼女は妹なのだが、『妹モノエロゲ』が好きなのだ。エロはどうでもいいらしく、単にエロゲの妹が可愛いかえあ、だそうだ。それを兄にやらせるとか、まあ、いろいろミドコロはある。そこが面白いのだが、なんだろうな。。。話がベタで、落ちが読めてしまったのは少し残念だった。やはり、それは『王道』だからなのだろう。
シリーズ化されるそうで、続きがあるらしい。
僕的には、幼馴染との絡みの続きが知りたいので続刊を買おうと思う。

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 思うところ、最後のオカルトでホラーで不気味に終わるところはよかった。印象に残るし、何よりドキドキした。
僕の見知らぬ解剖や検死などが行われる法医学教室というのは、僕にとって新鮮で新しい知識や視界を広げる役割を担っただろう。たまには、ライトノベルだけじゃなく、こういった文芸書も読んでみると楽しい。帯の『いま、見知らぬ世界への扉が開く――』というように、その通りの印象や感想を僕に抱かせた。
 ところで、この作品についてなのだが、1999年に出版された作品だそうだ。いや、なんと言うか、古い作品だったのだ。巻末を読んではじめて知った。ついでに続刊が何冊もある。なげえなあ、そう思う。
 将来、こういう作品も書いてみたいなあ、とは思ったり思わなかったり。

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 思うところ、最後のオカルトでホラーで不気味に終わるところはよかった。印象に残るし、何よりドキドキした。
僕の見知らぬ解剖や検死などが行われる法医学教室というのは、僕にとって新鮮で新しい知識や視界を広げる役割を担っただろう。たまには、ライトノベルだけじゃなく、こういった文芸書も読んでみると楽しい。帯の『いま、見知らぬ世界への扉が開く――』というように、その通りの印象や感想を僕に抱かせた。
 ところで、この作品についてなのだが、1999年に出版された作品だそうだ。いや、なんと言うか、古い作品だったのだ。巻末を読んではじめて知った。ついでに続刊が何冊もある。なげえなあ、そう思う。
 将来、こういう作品も書いてみたいなあ、とは思ったり思わなかったり。

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 ラストが意外。インパクトあるというか、余韻が残る。
 バッドエンドの分類に含まれるだろう。だから、余韻が残る。
 正直、途中で読み飽きた。一人称で地の文でしゃべるのなんて、どうでもいいし。ラスト以外インパクトがない。キャラクターは弱い。角川のハルヒはインパクトがあったが、こっちはなんだ? 僕は妹がかわいいとしか思えなかった。
 残念だった。

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 ラストが意外。インパクトあるというか、余韻が残る。
 バッドエンドの分類に含まれるだろう。だから、余韻が残る。
 正直、途中で読み飽きた。一人称で地の文でしゃべるのなんて、どうでもいいし。ラスト以外インパクトがない。キャラクターは弱い。角川のハルヒはインパクトがあったが、こっちはなんだ? 僕は妹がかわいいとしか思えなかった。
 残念だった。

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 せめて、明るく書こうと思う。
 機能の大雨とは打って変わって、快晴だ。暑い。
 私は朝早くに家を出て、まず、祖母の家へ回り、葬祭会館へ向かった。葬祭会館では、やることがなかったので読書をしていた。やがて、親族とか遺族がきて、火葬場へ行くことになる。
 火葬場では、中学の後輩とあった。相手は、私のことを顔は知ってるけどよくわからない、といったファミリアストレンジャー的な立場だった。
 他人とまぜこぜになった煙が立ち昇らなくなり、祖母が白い骨で出てきた。父と祖父は二人一組でひとつの骨を箸でとるという作法を知らなかった(知っててもやらなかった?)ようで準備の人が教えてくれたが、祖父は、
「どうでもいいべ」
 と、勝手にやり始めた。
 礼儀を知らないのも無理はない。祖父の母は祖父が物心つく前に死んでいて、祖父は本家(私の家は分家)のほうへ預けられた。しかも、祖父が小さいころから本家ではボケていたばあさんの世話をさせられていたため、礼儀とかはまったく知らないで生きてきた。というのは、遺族の誰かが話していた気がする。
 お守りとやらで、変な赤い鉄片をもらった。不気味に濡れていて、ざらつきがこすると剥がれ落ちていく。今、サイフに入ってる。いろんな意味で守ってくれそうだ。
 マイクロバスで揺られ、会館へ。私は、白い布(母はご飯に刺さった箸、父は遺骨、父の弟は写真)を手にもったまま、会場に入った。今度は、葬式の準備らしい。
 葬式中はかなり眠かった。睡魔と決闘の末、葬儀は無事に終了し、会社関係の人が帰っていくのを見ている。たまにお辞儀とうなずきが混ざったような会釈をしたり。
 お経を唱える奴。だるい。寝させてくれ。
 納骨。私は荷物運びでいちど祖父の家へ向かう。荷物を置いて、お墓へ線香を上げに行く。だんごを食べた。まっ白いただの団子。素朴さがおいしく思えた。マイクロバスの中でもあまった団子を食べ続けた。
 会館から、母方の祖母を家に送り、帰宅。

 ――いま。
 そうとう眠い。明日は学校だ。
 私にとって、通過儀礼を果たせたのか甚だ疑わしかった。

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 せめて、明るく書こうと思う。
 機能の大雨とは打って変わって、快晴だ。暑い。
 私は朝早くに家を出て、まず、祖母の家へ回り、葬祭会館へ向かった。葬祭会館では、やることがなかったので読書をしていた。やがて、親族とか遺族がきて、火葬場へ行くことになる。
 火葬場では、中学の後輩とあった。相手は、私のことを顔は知ってるけどよくわからない、といったファミリアストレンジャー的な立場だった。
 他人とまぜこぜになった煙が立ち昇らなくなり、祖母が白い骨で出てきた。父と祖父は二人一組でひとつの骨を箸でとるという作法を知らなかった(知っててもやらなかった?)ようで準備の人が教えてくれたが、祖父は、
「どうでもいいべ」
 と、勝手にやり始めた。
 礼儀を知らないのも無理はない。祖父の母は祖父が物心つく前に死んでいて、祖父は本家(私の家は分家)のほうへ預けられた。しかも、祖父が小さいころから本家ではボケていたばあさんの世話をさせられていたため、礼儀とかはまったく知らないで生きてきた。というのは、遺族の誰かが話していた気がする。
 お守りとやらで、変な赤い鉄片をもらった。不気味に濡れていて、ざらつきがこすると剥がれ落ちていく。今、サイフに入ってる。いろんな意味で守ってくれそうだ。
 マイクロバスで揺られ、会館へ。私は、白い布(母はご飯に刺さった箸、父は遺骨、父の弟は写真)を手にもったまま、会場に入った。今度は、葬式の準備らしい。
 葬式中はかなり眠かった。睡魔と決闘の末、葬儀は無事に終了し、会社関係の人が帰っていくのを見ている。たまにお辞儀とうなずきが混ざったような会釈をしたり。
 お経を唱える奴。だるい。寝させてくれ。
 納骨。私は荷物運びでいちど祖父の家へ向かう。荷物を置いて、お墓へ線香を上げに行く。だんごを食べた。まっ白いただの団子。素朴さがおいしく思えた。マイクロバスの中でもあまった団子を食べ続けた。
 会館から、母方の祖母を家に送り、帰宅。

 ――いま。
 そうとう眠い。明日は学校だ。
 私にとって、通過儀礼を果たせたのか甚だ疑わしかった。

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 私は昨日、父方の祖母を亡くした。それに関して、通夜のことを話そう。
 朝、思うことはなくて祖母の眠る家へと赴いた。挨拶とお辞儀と線香臭さで満ちていた。猫の話とか他愛もない日常会話を繰り広げる最中、私は父の弟から北方三郎という作者の本をもらった。ハードボイルドらしく、興味はない。
 三時になり、葬儀屋が祖母を連れて行った。お坊さんがお経を上げるのが一般だと思っていたが、お経すらなく祖母はこの家へ二度と帰らないことになる。外に連れ出されていった水色の棺おけは、‘霊柩車’と書かれたワゴン車に詰まれ、父とその弟を乗せ、走り去った。私は母の車に揺られながら、隣市の会場へ向かった。
 車はあまり停まっていない閑散とした場所に通夜を行う会場は建てられていた。目の前にセブンイレブンが蛍光灯をともしていた。
 通夜式は二時間あると言っていたので、私はうんざりしていた。それが、予定より早く――二十分で終わった時は意外で、心の中では嬉々としていた。
 特に思うことはなく、これが普通だと思う。それとも人が死ぬことは特別なのか。普通なのか。よく分からないが、少なくとも私の文化祭は行けず、同市で行われた文化祭帰りの女子高生をねめたことくらいが記憶に残っている。誰か、私の煩悩を消しておくれ。

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 私は昨日、父方の祖母を亡くした。それに関して、通夜のことを話そう。
 朝、思うことはなくて祖母の眠る家へと赴いた。挨拶とお辞儀と線香臭さで満ちていた。猫の話とか他愛もない日常会話を繰り広げる最中、私は父の弟から北方三郎という作者の本をもらった。ハードボイルドらしく、興味はない。
 三時になり、葬儀屋が祖母を連れて行った。お坊さんがお経を上げるのが一般だと思っていたが、お経すらなく祖母はこの家へ二度と帰らないことになる。外に連れ出されていった水色の棺おけは、‘霊柩車’と書かれたワゴン車に詰まれ、父とその弟を乗せ、走り去った。私は母の車に揺られながら、隣市の会場へ向かった。
 車はあまり停まっていない閑散とした場所に通夜を行う会場は建てられていた。目の前にセブンイレブンが蛍光灯をともしていた。
 通夜式は二時間あると言っていたので、私はうんざりしていた。それが、予定より早く――二十分で終わった時は意外で、心の中では嬉々としていた。
 特に思うことはなく、これが普通だと思う。それとも人が死ぬことは特別なのか。普通なのか。よく分からないが、少なくとも私の文化祭は行けず、同市で行われた文化祭帰りの女子高生をねめたことくらいが記憶に残っている。誰か、私の煩悩を消しておくれ。

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 今日、ばあちゃんが亡くなった。
 ちょうど文化祭一日目の午前中のことだった。
 その頃、私は文化祭実行委員としてウイニングイレブン大会の会場準備に追われていた。ダンボールやブルーシートでスタッフルームを区切り、サッカー選手の写真を至るところに貼り付ける作業を黙々とする。十時前には上級生が置いてあったプレステ2でレースゲームやスパロボをやり始める。スタッフ以外もやってきて、会場は乗っ取られた。
「やることないな」
 私は同級のスタッフと他ブースに移動することにした。友人たちとウーパールーパー見に行ったりして、一時間近く遊んだ。私はパシリとしてチョコバナナとファンタを買いに行く。ととーるという店では、学校一番の安い食料が入ることで有名だった。チョコバナナ三つを友人の分、ファンタ一本も友人の分、私はカルピスを買った。
 カルピスはぬるかった。ボトルの表面だけが濡れていて、いささか気持ちの悪いものだった。
「ほれ」
 友人たちに長蛇の列をかき分けて手に入れた戦利品を渡していく。
「三〇円返せよ」
 パシリには三〇円を取られる義務も責任も空気もない。
「奢れよ」
「はぁっ?」
 そんなとき、ズボンの左ポケットから振動が伝わった。携帯電話を開く。
『ばあちゃん亡くなった。
 線香上げにきて。なるべく早めにきて。
 ヨロシク!』
 送信者は絵文字を多めに使う母からだった。
「誰から」
「お母さん」
「なんて」
 もう一度、メールの本文を読む。
『ばあちゃん亡くなった。
 線香上げにきて。なるべく早めにきて。
 ヨロシク!』
 変わりなく、それは祖母の死を伝える文章であった。
 私はその内容を理解するのに十秒弱かかる。
「ばあちゃん死んだ」
 場の空気が凍るでもなく、濁るとか汚れるとかそんな雰囲気をかもし出した。
 誰も口を開かずに、誰かが「ご愁傷様」と呟くと、口々に慰めや同情の言葉が飛び交った。言葉は全て、私を通り過ぎたように感じたのは、言葉を受け止める心がなかったのか、溢れんばかりの何かが故意に言葉をスルーしたのだろうか。
 私は心を落ち着けるためにカルピスを飲んだ。甘い液が舌の上をのど奥へと引きずられていく。のどにはべた付きとい痛みを伴う甘さが流れていった。それで、心のわだかまりが抜けるとか無くなるとか、そういったものは皆無で、ただただカルピスで薄まり、紛れさせるばかりであった。
 それから、担任と実行委員長と担当で関係のある人々に忌引きを伝えた。私は一般生徒と同じ帰路に着く。カルピスはバックを無駄に重くする。電車に乗るときも友人たちと会話を交わすことさえもはばかれるように、残酷な事実はメールという文字媒体であたかもライトにのしかかる。
 家に着くと、母と一緒に祖母の家へ向かった。網戸が締め切られて、白っぽい光で屋内を照らしている。そこからは挨拶と段取りの打ち合わせと、小遣いをもらうことが主だった。
 はて、祖母の顔は?
 綺麗になって、白くなって、目を閉じていた。思い出せない。現在も過去もなにより、そこから今にいたる記憶がひどく曖昧で自信をもてない、不安定極まりない。死んだ時は、寝ているときで安らかにまさしく眠るように死んだとのことだった。
 生前の祖母は痴呆症だった。ボケていた。私のことも理解することができないから、他人としか見ていなかったのだろうか。私が三才の頃まではあそばせてもらっていたそうだったが、そんな昔の記憶が残っているわけもなく、メモリーに蓄積されたのは、手に靴下をはめられて、いすに座っているやつれた老婆だけであった。思い出だけが絆なのか。ならば、その絆もない。あるのは血縁のみ。相互扶助システムがない絆は絆ではなく、縁だけなのだろう。私の考えは、間違っているのだろうか。
 ふと、ろうそくを見ると不自然に揺れていたので、祖母がいるのではないかと思い、お辞儀をすると、揺れが突然止まり、ピンと緋色の炎は燃えていた。お疲れ、ばあちゃん。
 明日は通夜、明後日は火葬。私の文化祭はとっくに終焉の合図を告げられていた。自宅でバックをあけると三分ばかり余ったカルピスが、文化祭の傷跡だった。
 カルピスは甘ったるいとげをのどに押し付けただけで、潤いも乾きもない一風変わった日常へ私を連れ去った。
 明日からが忙しい。

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 今日、ばあちゃんが亡くなった。
 ちょうど文化祭一日目の午前中のことだった。
 その頃、私は文化祭実行委員としてウイニングイレブン大会の会場準備に追われていた。ダンボールやブルーシートでスタッフルームを区切り、サッカー選手の写真を至るところに貼り付ける作業を黙々とする。十時前には上級生が置いてあったプレステ2でレースゲームやスパロボをやり始める。スタッフ以外もやってきて、会場は乗っ取られた。
「やることないな」
 私は同級のスタッフと他ブースに移動することにした。友人たちとウーパールーパー見に行ったりして、一時間近く遊んだ。私はパシリとしてチョコバナナとファンタを買いに行く。ととーるという店では、学校一番の安い食料が入ることで有名だった。チョコバナナ三つを友人の分、ファンタ一本も友人の分、私はカルピスを買った。
 カルピスはぬるかった。ボトルの表面だけが濡れていて、いささか気持ちの悪いものだった。
「ほれ」
 友人たちに長蛇の列をかき分けて手に入れた戦利品を渡していく。
「三〇円返せよ」
 パシリには三〇円を取られる義務も責任も空気もない。
「奢れよ」
「はぁっ?」
 そんなとき、ズボンの左ポケットから振動が伝わった。携帯電話を開く。
『ばあちゃん亡くなった。
 線香上げにきて。なるべく早めにきて。
 ヨロシク!』
 送信者は絵文字を多めに使う母からだった。
「誰から」
「お母さん」
「なんて」
 もう一度、メールの本文を読む。
『ばあちゃん亡くなった。
 線香上げにきて。なるべく早めにきて。
 ヨロシク!』
 変わりなく、それは祖母の死を伝える文章であった。
 私はその内容を理解するのに十秒弱かかる。
「ばあちゃん死んだ」
 場の空気が凍るでもなく、濁るとか汚れるとかそんな雰囲気をかもし出した。
 誰も口を開かずに、誰かが「ご愁傷様」と呟くと、口々に慰めや同情の言葉が飛び交った。言葉は全て、私を通り過ぎたように感じたのは、言葉を受け止める心がなかったのか、溢れんばかりの何かが故意に言葉をスルーしたのだろうか。
 私は心を落ち着けるためにカルピスを飲んだ。甘い液が舌の上をのど奥へと引きずられていく。のどにはべた付きとい痛みを伴う甘さが流れていった。それで、心のわだかまりが抜けるとか無くなるとか、そういったものは皆無で、ただただカルピスで薄まり、紛れさせるばかりであった。
 それから、担任と実行委員長と担当で関係のある人々に忌引きを伝えた。私は一般生徒と同じ帰路に着く。カルピスはバックを無駄に重くする。電車に乗るときも友人たちと会話を交わすことさえもはばかれるように、残酷な事実はメールという文字媒体であたかもライトにのしかかる。
 家に着くと、母と一緒に祖母の家へ向かった。網戸が締め切られて、白っぽい光で屋内を照らしている。そこからは挨拶と段取りの打ち合わせと、小遣いをもらうことが主だった。
 はて、祖母の顔は?
 綺麗になって、白くなって、目を閉じていた。思い出せない。現在も過去もなにより、そこから今にいたる記憶がひどく曖昧で自信をもてない、不安定極まりない。死んだ時は、寝ているときで安らかにまさしく眠るように死んだとのことだった。
 生前の祖母は痴呆症だった。ボケていた。私のことも理解することができないから、他人としか見ていなかったのだろうか。私が三才の頃まではあそばせてもらっていたそうだったが、そんな昔の記憶が残っているわけもなく、メモリーに蓄積されたのは、手に靴下をはめられて、いすに座っているやつれた老婆だけであった。思い出だけが絆なのか。ならば、その絆もない。あるのは血縁のみ。相互扶助システムがない絆は絆ではなく、縁だけなのだろう。私の考えは、間違っているのだろうか。
 ふと、ろうそくを見ると不自然に揺れていたので、祖母がいるのではないかと思い、お辞儀をすると、揺れが突然止まり、ピンと緋色の炎は燃えていた。お疲れ、ばあちゃん。
 明日は通夜、明後日は火葬。私の文化祭はとっくに終焉の合図を告げられていた。自宅でバックをあけると三分ばかり余ったカルピスが、文化祭の傷跡だった。
 カルピスは甘ったるいとげをのどに押し付けただけで、潤いも乾きもない一風変わった日常へ私を連れ去った。
 明日からが忙しい。

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抱き枕カバーに惹かれて買ったのは、ここだけの秘密。
サイとがおすすめするトピックを紹介します。

【付録部門】
・コーティの悩殺抱き枕カバー
GA文庫の代表作品とも言える『神曲奏界ポリフォニカシリーズ』で、榊一郎氏がキネティックノベルから手がける『クリムゾンシリーズ』に登場するラノベ業界三大ツンデレとも囁かれる一人、コーティカルテが僕たちの腕で優しくそっと抱いて差し上げるための枕カバーとなって降臨した。まず混紡剤を開けて匂いを嗅いでよろめく。触って震える。広げて卒倒。さぁ、みんな。今こそ僕らは抱きしめるはずだ。ちゃんと、保存用、予備用、本番用は買ったかい?
【小説部門】
・晴れた空にくじら‐真心の贈り物
これは逸作だ。一番面白かった。大西科学氏が書いているそうだ。今度、文庫版を購読してみたいと思う。
・幻國戦記 CROW
五代ゆう氏の妖術、異形、繰り広げられる殺陣、ファンタジー作品だ。世界観が厚いことで有名だそうだ。読んでて飽きがこないのだから、相当面白い作品といえよう。これからの展開が楽しみである。
・ストレイジ・オーバー
皮膚接触で記憶を取り出せる能力者の現代ファンタジー。中尾寛氏が書いているそうだ。状況が浮かびやすく、葛藤などもそれなりに楽しめた。
・シャムロック
友人にこの作品の部分だけ読まれ、エロ本だと勘違いを呼び起こした近未来ラブコメ。主人公のモテモテさにはこっちがイラつく。
【漫画部門】
該当作品なし
【その他】
値段が2400円と小説誌としてはかなり高い(つまり雑誌扱いか?)。面白い作品は文庫を買えばよいのだから、無理して小説誌まで購入する必要性は無いと感じられる。

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抱き枕カバーに惹かれて買ったのは、ここだけの秘密。
サイとがおすすめするトピックを紹介します。

【付録部門】
・コーティの悩殺抱き枕カバー
GA文庫の代表作品とも言える『神曲奏界ポリフォニカシリーズ』で、榊一郎氏がキネティックノベルから手がける『クリムゾンシリーズ』に登場するラノベ業界三大ツンデレとも囁かれる一人、コーティカルテが僕たちの腕で優しくそっと抱いて差し上げるための枕カバーとなって降臨した。まず混紡剤を開けて匂いを嗅いでよろめく。触って震える。広げて卒倒。さぁ、みんな。今こそ僕らは抱きしめるはずだ。ちゃんと、保存用、予備用、本番用は買ったかい?
【小説部門】
・晴れた空にくじら‐真心の贈り物
これは逸作だ。一番面白かった。大西科学氏が書いているそうだ。今度、文庫版を購読してみたいと思う。
・幻國戦記 CROW
五代ゆう氏の妖術、異形、繰り広げられる殺陣、ファンタジー作品だ。世界観が厚いことで有名だそうだ。読んでて飽きがこないのだから、相当面白い作品といえよう。これからの展開が楽しみである。
・ストレイジ・オーバー
皮膚接触で記憶を取り出せる能力者の現代ファンタジー。中尾寛氏が書いているそうだ。状況が浮かびやすく、葛藤などもそれなりに楽しめた。
・シャムロック
友人にこの作品の部分だけ読まれ、エロ本だと勘違いを呼び起こした近未来ラブコメ。主人公のモテモテさにはこっちがイラつく。
【漫画部門】
該当作品なし
【その他】
値段が2400円と小説誌としてはかなり高い(つまり雑誌扱いか?)。面白い作品は文庫を買えばよいのだから、無理して小説誌まで購入する必要性は無いと感じられる。

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実は深く読めなかったこの作品。
途中で飽きてしまいました。
原因は、
・敬体
・多すぎるひらがな
・読点が少ない
・僕の好みでない(重要)
ですねー。
前者三つは、ただの好き嫌いです。読みにくい文章は、あんまり読もうという気になれず、睡眠作用をやみくもに高ぶらせる一方でした。
内容というか、発想が面白いです。幻想的な夢のある話。或いは夢のない話。
比喩が綺麗だと思いました。

読み込めなかった所為か、よく分からんのです。
一ついえることは、
「翻訳者、もっと読みやすく書いてくれ」
児童文学は、恐竜ほねほねくんで十分だ。

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実は深く読めなかったこの作品。
途中で飽きてしまいました。
原因は、
・敬体
・多すぎるひらがな
・読点が少ない
・僕の好みでない(重要)
ですねー。
前者三つは、ただの好き嫌いです。読みにくい文章は、あんまり読もうという気になれず、睡眠作用をやみくもに高ぶらせる一方でした。
内容というか、発想が面白いです。幻想的な夢のある話。或いは夢のない話。
比喩が綺麗だと思いました。

読み込めなかった所為か、よく分からんのです。
一ついえることは、
「翻訳者、もっと読みやすく書いてくれ」
児童文学は、恐竜ほねほねくんで十分だ。

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今日見てきた映画です。
本格科学冒険と言う名目に惹かれ、見てしまった作品です。

『ともだち』と呼ばれる謎の宗教団体と敵対する。『ともだち』は昔の仲間だった奴で、主人公とその仲間達が書いた『よげんの書』の通りに世界を変えていく――

2時間15分はある映画なのに最後まで飽きることなく鑑賞できた。
この長さで三部作の第一章だそうだ。殺す気か。
序破急と考えれば上場の立ち上がりと言えよう。演出というか、監督の指示は上手いのだろうか、とても印象に残るのだ。

一番よかったのは、音楽。
ロックがとても効果的に使われていて、よかったように思う。僕の中では胸に来る曲だった。

ラストシーンはいきなりすぎて唖然でしたけどね。。。

一度見てみてもいい作品ではないでしょうか。

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今日見てきた映画です。
本格科学冒険と言う名目に惹かれ、見てしまった作品です。

『ともだち』と呼ばれる謎の宗教団体と敵対する。『ともだち』は昔の仲間だった奴で、主人公とその仲間達が書いた『よげんの書』の通りに世界を変えていく――

2時間15分はある映画なのに最後まで飽きることなく鑑賞できた。
この長さで三部作の第一章だそうだ。殺す気か。
序破急と考えれば上場の立ち上がりと言えよう。演出というか、監督の指示は上手いのだろうか、とても印象に残るのだ。

一番よかったのは、音楽。
ロックがとても効果的に使われていて、よかったように思う。僕の中では胸に来る曲だった。

ラストシーンはいきなりすぎて唖然でしたけどね。。。

一度見てみてもいい作品ではないでしょうか。

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アニメのほうを見た。
十二話に渡って毎日一話ずつ見た。
しかし、十一話と十二話は連続して見ないとだめだ。続きが気になりすぎて眠れない。

アニメーション制作は、シャフトだ。
京アニとシャフトとジャパンクリエイティブスタッフが僕の中でベスト3にはいる製作ドコロだろう。
それも見るきっかけだったのかもしれないが、根本的理由は別にある。
なんというか、『小説家 アニメ』でヤフったらこれが出たの。意外だよね。

はひぃ・・24時間テレビのチェンメに苛まれながら、感想書くよぅ。

一番好きだった「二人の物語」は、紘とみやこだった。結局僕は未だ見ぬもの、珍しいものを求めて作品を読む性質があるようで、今回は例によって「ヤンデレ」にはまってしまったのではないだろうか。携帯の受信ボックス全てが『宮村みやこ』で埋まっていて、怒り、哀しみ、狂い、諦め、たくさんの感情がそれぞれぶつけられている通話記録には、衝撃を受けた。(あのあと眠れなくて、ずぅっと起きてたのはないしょです)

好きだったわけではないのだが、心に残るものがあった。
それは、蓮治と千尋の物語だ。終わりが暗かったというか、決して明るい話ではなかったように思う。蓮治の葛藤が生々しく描かれ、演出がそれを際立たせていた。
ストーリーに関して、僕はクライマックスで話に飲み込まれた。飲み込まれる、という表現よりは、混ざり合うとかそのピースに組み込まれると言うような自然な感じだった。そのためだろうか、観賞後も物語からいきなり引き剥がされるような疎遠感を感じさせなかった。
余韻を残させる終わり方は上出来で、そう言ったラストを望む人には打って付けのストーリーではなかろうか。

あと、もともとがアダルトゲームだったためか、唐突に濡れ場へと展開するが、放送可能アニメらしくそういったシーンは省かれている。まぁ、そういう展開はこの作品にとっては返って邪魔だと思うが。

OP、EDについては好感を持てる。少しづつ変化していくアニメーション、EDはキャラソンで入り方が神掛かってるし。(実はOPは僕の好きな曲にランクインしているのです)

世界観や舞台も参考にしたいものがあった。

 

ああ、僕もドイツに行きたい!

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