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◆基本データ
著者:桑島由一
イラスト:ヤスダスズヒト
出版:MF文庫J
初版:2003/09/30
ジャンル:ラブコメ、現代ファンタジー
◆評価
ストーリー:2
文章:1
キャラ:2
意外性:0
総評:E
その他:
◆あらすじ(MF文庫J公式サイトより抜粋)
父親が神様、母親、姉、妹が女神様、お手伝いが天使。……という「神様一家」に生まれた高校生、神山佐間太郎。初恋はうやむや(?)で終わってしまったが、幼なじみでお手伝いのテンコとの関係は微妙に良い雰囲気!? ……かと思ってたら、今度は突然テンコに赤ちゃんが!? 大慌ての佐間太郎、またもや苦悩の大奮闘!! 好評ファンタジックラブコメ、早くも第2弾!
◆書評
神様家族の第二弾だ。
一巻はラストが意味不明というかご都合主義というか、奇跡を軽く扱いすぎている感じが否めなかった。
で、今回のはどうだろうか。またまたパパさんが主人公佐間太郎になにかして読者を面白がらせるのだろうか。読む前には私はそんなことを考えていた。
実際には、パパさんは天国へ出張中で家にはおらず、最近の佐間太郎のラッキーさは薄れてきているのだ。
まず、佐間太郎がヒロインであるテンコに冷たくあたっていると言うところが物語のキーポイントとなる。つまり、冷たくあたっているので、その原因を追求し、やがては仲良くする、ということを最終目的に掲げた作品としようとしているのである。まあ、最後には目的達成ハッピーエンドなのだが。
その仲良くする目的に行き着くために『二人の子供』というアイテムを使った王道ラブコメだ。よくあるではなく、もう王道だろうと私は思う。
『二人の子供』は二人の関係を急接近させお互いの気持ちを確かめさせる役割を持つ。しかし、その二人の子供は妙に発育が早いのだ。ここから察することができるだろう読者のみなさん、……サブタイの発育少女は子供のことだったのです。ハァァー、テンコじゃねーのかよーってなった人、残念(え? 私だけ?)
その発育少女はもうひとつのフックがあって、コメディ路線とシリアス路線のスクランブルとなる。子育てというラブコメ路線がある一方で、佐間太郎の親友進一が病院に入院する謎な少女に恋をすると言うものがある。まあ、半月のような切ないしんみりとかそういうのはないが、キャラクター同士の関係と言うかそんなんのが似てる。ともかく、少女が入院している。
発育少女は発育の果てに入院少女と同じ姿になる。つまるところ、彼女らは半身なのだ。ゲド戦記でもおなじみ影の自分がいると言うのだ。入院少女の影の自分が発育少女だ。彼女ら二人は最終的に同化しておしまいだ。
まあ、当り障りのない作品とでも言おうか。面白くないということもなく、つまらなくもないのだ。ただ、暇つぶしには最適な気がする。
おそらく私には神様家族のギャグが滑っているようにしか見えず、その大衆が感じる面白さと言うものを実感できていないからだろう。
読了後、異世界ファンタジーの冒険モノを読みたくなったのはフスィギィーである。