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◆基本データ
著者:桜庭 一樹
イラスト:挿絵なし
出版:東京創元社
初版:2006/12/28
世界観:現代(戦後〜平成)
ジャンル1:ミステリー
ジャンル2:歴史
◆あらすじ(amazonより抜粋)
「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。2006年を締め括る著者の新たなる代表作、桜庭一樹はここまで凄かった!
◆評価
総評:良作
総点:82
ストーリー:9
文章:10
キャラ:8
意外性:6
世界観:9
テンポのよさ:7
オリジナリティ:8
ネーミング:9
背景:9
イラスト:7
その他:平成のはじめ辺りに生まれた人(09年時点で高校生・大学生)は読むべき!
◆書評
桜庭一樹氏の著書、これで3作読みました。俺は元々「GOSICK」から入ったようなイラストに騙された人の一人ですが、良い意味で予想を裏切るものでしたので、続いて「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」を読みました。「赤朽葉家の伝説」でやっと3作目の大著です。
こういったライトノベルとは違う、敷居の高い作品に付く書評も敷居が高いもののように思えます。読んだ本の数が俺とは桁違いだし、なにより教養が違います。ですので、多少、いや、なかなかのプレッシャーを感じております。なんというか、恐れ多い。ですが、書評がんばりますよ。
物語はいつも閉鎖された場所で展開しています。「GOSICK1」であれば船内、「砂糖菓子」であれば海辺の田舎町、「赤朽葉」は山脈ふもとの村でした。同時にどの舞台も懇切丁寧に描かれ、作者が舞台に力を入れているのだなと感じます。そして本作は紅緑村の歴史を描ききりました。最近に至るまでおよそ50年近くの年月を書いていました。そこには時代の変遷とともに変わり行く街と人々が生きていて、彼らの生涯を描いた作品でありました。余談ですが、俺も拙作の舞台にこだわりがありまして、それは地元をモデルにしたものをよく創ることです。やはり、その土地にはその土地の古くからの余情が残っており、その土地に住む人々はこれに少なからずも影響されて生きています。そういった「伝説」とも称すべき事柄を作中に示したいのです。
土地の物語とは、イコール人々の物語だと思います。本作も赤朽葉家という大屋敷に住まう一族を中心とした物語でした。物語は大長編ですが、意外とあっさり読んでしまうことができました。おそらくここら辺が、ライトノベルのような感じを引き継いでいるのやもしれません。登場人物がたくさんでてきますが、彼らの心情を三人称の描写のみで描ききる筆力は舌を巻きます。
構成は三部あります。親子三代に渡る長い物語をその時代を駆けた人物を中心に語ります。いつの時代も中心になって動く人々は10代から20代の若者です。そのことは過去、現在、未来という時代の流れと主人公の心の動きを物語っています。
俺は主人公と3歳ほどしか違いがありません。ですから、第三部にいちばん共感ができました。いちばん伝えたいことを伝えるべき対象に伝えることができているので、とてもよいのでしょうね。
この時代をよく言い得ていると思います。黒い風は吹いていると、読みながらうなずいてしまいました。
ライトノベルに限らず、いろいろな作品を学生のうちに読み漁ることは大切だと気づかせてくれた作品でした。
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著者:桜庭 一樹
イラスト:挿絵なし
出版:東京創元社
初版:2006/12/28
世界観:現代(戦後〜平成)
ジャンル1:ミステリー
ジャンル2:歴史
◆あらすじ(amazonより抜粋)
「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。2006年を締め括る著者の新たなる代表作、桜庭一樹はここまで凄かった!
◆評価
総評:良作
総点:82
ストーリー:9
文章:10
キャラ:8
意外性:6
世界観:9
テンポのよさ:7
オリジナリティ:8
ネーミング:9
背景:9
イラスト:7
その他:平成のはじめ辺りに生まれた人(09年時点で高校生・大学生)は読むべき!
◆書評
桜庭一樹氏の著書、これで3作読みました。俺は元々「GOSICK」から入ったようなイラストに騙された人の一人ですが、良い意味で予想を裏切るものでしたので、続いて「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」を読みました。「赤朽葉家の伝説」でやっと3作目の大著です。
こういったライトノベルとは違う、敷居の高い作品に付く書評も敷居が高いもののように思えます。読んだ本の数が俺とは桁違いだし、なにより教養が違います。ですので、多少、いや、なかなかのプレッシャーを感じております。なんというか、恐れ多い。ですが、書評がんばりますよ。
物語はいつも閉鎖された場所で展開しています。「GOSICK1」であれば船内、「砂糖菓子」であれば海辺の田舎町、「赤朽葉」は山脈ふもとの村でした。同時にどの舞台も懇切丁寧に描かれ、作者が舞台に力を入れているのだなと感じます。そして本作は紅緑村の歴史を描ききりました。最近に至るまでおよそ50年近くの年月を書いていました。そこには時代の変遷とともに変わり行く街と人々が生きていて、彼らの生涯を描いた作品でありました。余談ですが、俺も拙作の舞台にこだわりがありまして、それは地元をモデルにしたものをよく創ることです。やはり、その土地にはその土地の古くからの余情が残っており、その土地に住む人々はこれに少なからずも影響されて生きています。そういった「伝説」とも称すべき事柄を作中に示したいのです。
土地の物語とは、イコール人々の物語だと思います。本作も赤朽葉家という大屋敷に住まう一族を中心とした物語でした。物語は大長編ですが、意外とあっさり読んでしまうことができました。おそらくここら辺が、ライトノベルのような感じを引き継いでいるのやもしれません。登場人物がたくさんでてきますが、彼らの心情を三人称の描写のみで描ききる筆力は舌を巻きます。
構成は三部あります。親子三代に渡る長い物語をその時代を駆けた人物を中心に語ります。いつの時代も中心になって動く人々は10代から20代の若者です。そのことは過去、現在、未来という時代の流れと主人公の心の動きを物語っています。
俺は主人公と3歳ほどしか違いがありません。ですから、第三部にいちばん共感ができました。いちばん伝えたいことを伝えるべき対象に伝えることができているので、とてもよいのでしょうね。
この時代をよく言い得ていると思います。黒い風は吹いていると、読みながらうなずいてしまいました。
ライトノベルに限らず、いろいろな作品を学生のうちに読み漁ることは大切だと気づかせてくれた作品でした。