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◆基本データ
著者:水藤朋彦
イラスト:菊池政治
出版:電撃文庫
初版:2008/12/10
ジャンル:剣と魔法の異世界冒険活劇
◆評価(今回から『0』を基準とする)
ストーリー:1
文章:0
キャラ:0
意外性:2
総評:E
その他:
◆あらすじ(電撃文庫公式サイトより抜粋)
電撃文庫が贈る、正統派ファンタジー!
見習い剣士のラドと精霊のエニルが織りなす、剣と魔法の物語。
まだ魔法が生活に潤いを与えていた時代。
少年ラドとセネマは、騎士の試験を受けるために立ち寄ったとある街で、貴族の少女・エニルと出会う。しかし彼女は、なぜかラドだけにしか見ることができず、生まれた記憶すら持っていなかった。
どうやら精霊であるらしいエニル。彼女の記憶を取り戻すため、ラドは共に旅に出ることを決意する。宿り主を持たない精霊エニルが、消えてしまう前に……。
◆書評
いまどき、まっすぐな異世界ファンタジーとは珍しい。いいね。
……なんとも言えないのだよ、コレ。正統派、まあつまり王道ってわけだけど普通過ぎて面白くない。つまらないわけじゃないけど、もっと読者に向けてフックがほしいところ。面白みに欠ける。
微妙に意外性というのはあった。とはいってもありきたりなものなので仕方ない。
ネタバレ注意
エニルは王女の心のひとつ。わがままな心が抜け出して精霊(のようなもの)になった存在。ちなみに仲間のセネマは実は女性である。エニルと一緒に水浴びをするというか服を脱ぐと言うシーンがある。
ネタバレ終わり。
キャラクターも活き活きとした感じがしなかった。
これといったところもなく、苦もなく楽もなく読めるのだけは評価対象だろうか。
ぼろっちぃブックオフに伝説の『星虫』があった!
絶版となったソノラマ文庫の小説である。手に入れるのは密林とか使うしかないかなとか思ってたら何気に105円でおいてあったので買い~♪
早速読み始めている。
ラドウィンの冒険 (電撃文庫) (2008/12/05) 水藤 朋彦 商品詳細を見る |
◆基本データ
著者:水藤朋彦
イラスト:菊池政治
出版:電撃文庫
初版:2008/12/10
ジャンル:剣と魔法の異世界冒険活劇
◆評価(今回から『0』を基準とする)
ストーリー:1
文章:0
キャラ:0
意外性:2
総評:E
その他:
◆あらすじ(電撃文庫公式サイトより抜粋)
電撃文庫が贈る、正統派ファンタジー!
見習い剣士のラドと精霊のエニルが織りなす、剣と魔法の物語。
まだ魔法が生活に潤いを与えていた時代。
少年ラドとセネマは、騎士の試験を受けるために立ち寄ったとある街で、貴族の少女・エニルと出会う。しかし彼女は、なぜかラドだけにしか見ることができず、生まれた記憶すら持っていなかった。
どうやら精霊であるらしいエニル。彼女の記憶を取り戻すため、ラドは共に旅に出ることを決意する。宿り主を持たない精霊エニルが、消えてしまう前に……。
◆書評
いまどき、まっすぐな異世界ファンタジーとは珍しい。いいね。
……なんとも言えないのだよ、コレ。正統派、まあつまり王道ってわけだけど普通過ぎて面白くない。つまらないわけじゃないけど、もっと読者に向けてフックがほしいところ。面白みに欠ける。
微妙に意外性というのはあった。とはいってもありきたりなものなので仕方ない。
ネタバレ注意
エニルは王女の心のひとつ。わがままな心が抜け出して精霊(のようなもの)になった存在。ちなみに仲間のセネマは実は女性である。エニルと一緒に水浴びをするというか服を脱ぐと言うシーンがある。
ネタバレ終わり。
キャラクターも活き活きとした感じがしなかった。
これといったところもなく、苦もなく楽もなく読めるのだけは評価対象だろうか。
ぼろっちぃブックオフに伝説の『星虫』があった!
絶版となったソノラマ文庫の小説である。手に入れるのは密林とか使うしかないかなとか思ってたら何気に105円でおいてあったので買い〜♪
早速読み始めている。
◆基本データ
著者:本田 透
出版:ちくま新書
初版:2005/11/07
ジャンル:評論
◆内容(筑摩書房より抜粋)
いまや、数千億円ともいわれる「オタク」市場。経済界も一般メディアも、もはや無視できない存在となった「萌え」の世界。ではなぜ、オタク男たちは二次元のキャラクターに「萌え」るのか。そもそも「萌える」という行為にはどういう意味があるのか。「萌える」男に純愛を求める者が多いのはなぜなのか。こうした疑問に、現代社会論とジェンダー論、そして実存の観点から答える、本邦初の明快な解説書。
◆感想
そんなに難しい本ではないからまず読んでみ。著者はラノベ書いてる人だから、なんか親しみやすい感じがしてすらすらと読めた。
世の中のヲタクたちよ、いまこそたちあがれ! 立ち上がったら非ヲタなきがしますけどね。この本ではヲタクたちを新しい社会システムに先立っている人々と言う解釈をしている。ただ、新しいシステム、というのは昔から存在していたのだがいつも裏に回され、日向にでるのは今まで見てきたであろう社会構造だ。だが、現在の社会構造が昔からあった裏構造に移りつつある、というのだ。代表的な例として電車男が取り上げられている。
KanonやOneなどKey作品がどれほど傷ついた人々を癒す力を持っているかなど紹介されている。もし人を癒すラノベを書きたいと思っている人は読んでおいたほうがいいだろう。
あと、ヲタクはなにをして萌えるのかとか萌えとはなにか、萌えさせるものとは?など多くの事柄が詳細に書き綴られているので、とても分かりやすい。
◆基本データ
著者:本田 透
出版:ちくま新書
初版:2005/11/07
ジャンル:評論
◆内容(筑摩書房より抜粋)
いまや、数千億円ともいわれる「オタク」市場。経済界も一般メディアも、もはや無視できない存在となった「萌え」の世界。ではなぜ、オタク男たちは二次元のキャラクターに「萌え」るのか。そもそも「萌える」という行為にはどういう意味があるのか。「萌える」男に純愛を求める者が多いのはなぜなのか。こうした疑問に、現代社会論とジェンダー論、そして実存の観点から答える、本邦初の明快な解説書。
◆感想
そんなに難しい本ではないからまず読んでみ。著者はラノベ書いてる人だから、なんか親しみやすい感じがしてすらすらと読めた。
世の中のヲタクたちよ、いまこそたちあがれ! 立ち上がったら非ヲタなきがしますけどね。この本ではヲタクたちを新しい社会システムに先立っている人々と言う解釈をしている。ただ、新しいシステム、というのは昔から存在していたのだがいつも裏に回され、日向にでるのは今まで見てきたであろう社会構造だ。だが、現在の社会構造が昔からあった裏構造に移りつつある、というのだ。代表的な例として電車男が取り上げられている。
KanonやOneなどKey作品がどれほど傷ついた人々を癒す力を持っているかなど紹介されている。もし人を癒すラノベを書きたいと思っている人は読んでおいたほうがいいだろう。
あと、ヲタクはなにをして萌えるのかとか萌えとはなにか、萌えさせるものとは?など多くの事柄が詳細に書き綴られているので、とても分かりやすい。
◆基本データ
著者:桑島由一
イラスト:ヤスダスズヒト
出版:MF文庫J
初版:2003/09/30
ジャンル:ラブコメ、現代ファンタジー
◆評価
ストーリー:2
文章:1
キャラ:2
意外性:0
総評:E
その他:
◆あらすじ(MF文庫J公式サイトより抜粋)
父親が神様、母親、姉、妹が女神様、お手伝いが天使。……という「神様一家」に生まれた高校生、神山佐間太郎。初恋はうやむや(?)で終わってしまったが、幼なじみでお手伝いのテンコとの関係は微妙に良い雰囲気!? ……かと思ってたら、今度は突然テンコに赤ちゃんが!? 大慌ての佐間太郎、またもや苦悩の大奮闘!! 好評ファンタジックラブコメ、早くも第2弾!
◆書評
神様家族の第二弾だ。
一巻はラストが意味不明というかご都合主義というか、奇跡を軽く扱いすぎている感じが否めなかった。
で、今回のはどうだろうか。またまたパパさんが主人公佐間太郎になにかして読者を面白がらせるのだろうか。読む前には私はそんなことを考えていた。
実際には、パパさんは天国へ出張中で家にはおらず、最近の佐間太郎のラッキーさは薄れてきているのだ。
まず、佐間太郎がヒロインであるテンコに冷たくあたっていると言うところが物語のキーポイントとなる。つまり、冷たくあたっているので、その原因を追求し、やがては仲良くする、ということを最終目的に掲げた作品としようとしているのである。まあ、最後には目的達成ハッピーエンドなのだが。
その仲良くする目的に行き着くために『二人の子供』というアイテムを使った王道ラブコメだ。よくあるではなく、もう王道だろうと私は思う。
『二人の子供』は二人の関係を急接近させお互いの気持ちを確かめさせる役割を持つ。しかし、その二人の子供は妙に発育が早いのだ。ここから察することができるだろう読者のみなさん、……サブタイの発育少女は子供のことだったのです。ハァァー、テンコじゃねーのかよーってなった人、残念(え? 私だけ?)
その発育少女はもうひとつのフックがあって、コメディ路線とシリアス路線のスクランブルとなる。子育てというラブコメ路線がある一方で、佐間太郎の親友進一が病院に入院する謎な少女に恋をすると言うものがある。まあ、半月のような切ないしんみりとかそういうのはないが、キャラクター同士の関係と言うかそんなんのが似てる。ともかく、少女が入院している。
発育少女は発育の果てに入院少女と同じ姿になる。つまるところ、彼女らは半身なのだ。ゲド戦記でもおなじみ影の自分がいると言うのだ。入院少女の影の自分が発育少女だ。彼女ら二人は最終的に同化しておしまいだ。
まあ、当り障りのない作品とでも言おうか。面白くないということもなく、つまらなくもないのだ。ただ、暇つぶしには最適な気がする。
おそらく私には神様家族のギャグが滑っているようにしか見えず、その大衆が感じる面白さと言うものを実感できていないからだろう。
読了後、異世界ファンタジーの冒険モノを読みたくなったのはフスィギィーである。
◆基本データ
著者:桑島由一
イラスト:ヤスダスズヒト
出版:MF文庫J
初版:2003/09/30
ジャンル:ラブコメ、現代ファンタジー
◆評価
ストーリー:2
文章:1
キャラ:2
意外性:0
総評:E
その他:
◆あらすじ(MF文庫J公式サイトより抜粋)
父親が神様、母親、姉、妹が女神様、お手伝いが天使。……という「神様一家」に生まれた高校生、神山佐間太郎。初恋はうやむや(?)で終わってしまったが、幼なじみでお手伝いのテンコとの関係は微妙に良い雰囲気!? ……かと思ってたら、今度は突然テンコに赤ちゃんが!? 大慌ての佐間太郎、またもや苦悩の大奮闘!! 好評ファンタジックラブコメ、早くも第2弾!
◆書評
神様家族の第二弾だ。
一巻はラストが意味不明というかご都合主義というか、奇跡を軽く扱いすぎている感じが否めなかった。
で、今回のはどうだろうか。またまたパパさんが主人公佐間太郎になにかして読者を面白がらせるのだろうか。読む前には私はそんなことを考えていた。
実際には、パパさんは天国へ出張中で家にはおらず、最近の佐間太郎のラッキーさは薄れてきているのだ。
まず、佐間太郎がヒロインであるテンコに冷たくあたっていると言うところが物語のキーポイントとなる。つまり、冷たくあたっているので、その原因を追求し、やがては仲良くする、ということを最終目的に掲げた作品としようとしているのである。まあ、最後には目的達成ハッピーエンドなのだが。
その仲良くする目的に行き着くために『二人の子供』というアイテムを使った王道ラブコメだ。よくあるではなく、もう王道だろうと私は思う。
『二人の子供』は二人の関係を急接近させお互いの気持ちを確かめさせる役割を持つ。しかし、その二人の子供は妙に発育が早いのだ。ここから察することができるだろう読者のみなさん、……サブタイの発育少女は子供のことだったのです。ハァァー、テンコじゃねーのかよーってなった人、残念(え? 私だけ?)
その発育少女はもうひとつのフックがあって、コメディ路線とシリアス路線のスクランブルとなる。子育てというラブコメ路線がある一方で、佐間太郎の親友進一が病院に入院する謎な少女に恋をすると言うものがある。まあ、半月のような切ないしんみりとかそういうのはないが、キャラクター同士の関係と言うかそんなんのが似てる。ともかく、少女が入院している。
発育少女は発育の果てに入院少女と同じ姿になる。つまるところ、彼女らは半身なのだ。ゲド戦記でもおなじみ影の自分がいると言うのだ。入院少女の影の自分が発育少女だ。彼女ら二人は最終的に同化しておしまいだ。
まあ、当り障りのない作品とでも言おうか。面白くないということもなく、つまらなくもないのだ。ただ、暇つぶしには最適な気がする。
おそらく私には神様家族のギャグが滑っているようにしか見えず、その大衆が感じる面白さと言うものを実感できていないからだろう。
読了後、異世界ファンタジーの冒険モノを読みたくなったのはフスィギィーである。
◆基本データ
著者:壁井ユカコ
イラスト:田上俊介
出版:電撃文庫
初版:2003/02/25
ジャンル:異世界ファンタジー、退廃系
◆評価
ストーリー:5
文章:4
キャラ:4+
意外性:3
総評:A
その他:
◆あらすじ(電撃屋より抜粋)
孤独な少女が出逢った男は<不死人>だった。
キーリは教会の寄宿学校に通う14歳の少女。霊感が強く霊が見えることから、神の存在や教義に疑問を抱いており、学校でも孤立していた。
冬の長期休暇の初日、キーリは旅の<不死人>の青年ハーヴェイと、その同行者の小型ラジオの憑依霊・兵長と知りあう。不死人は戦争で量産された不老不死の兵士であり、現在は教会に追われる身。自分と同じく霊が見える人間にはじめて出会ったキーリは、彼らの旅についていく事に……。鉄道旅行を続ける中、様々な亡霊たちとの出会いと別れを経験しながら、キーリはやっと自分の居場所を見つけた気がしていた。
――旅の終わりは思いのほか早く訪れる――。ハーヴェイが教会の<不死人狩り>に捕まってしまい、キーリは寄宿舎に帰されてしまったのだ。孤独な日常に戻ったキーリ。しかし、彼女の長くて短い休暇は、終わったわけではなかった……!?
圧倒的なキャラクターの魅力と、お話の面白さで読み手を引き込み離さない超力作。
第9回 電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞作品ついに登場!
イラストは、同じ第9回 電撃ゲームイラスト大賞<大賞>受賞者・田上俊介が担当。
◆書評
言わずと知れた壁井ユカコ氏のデビュー作だ。
始まりの一文を読んで、この小説は面白いっていう感覚がビビビって脳に焼きついた。
ヒロインのキーリの周りには幽霊がいる。幽霊と友人だ。その友人はきれいなツンデレ美少女かなあって私は想像していたのだけれど、彼女が死んだ原因を語る部分でかなりグロい想像をしてしまった。いまでもゾクリとくる。これが身の毛もよだつ、というのだろう。
キーリは幽霊に囲まれているから一人じゃない、ということでもない。幽霊は勝手に消えていく。キーリはおいていかれる存在なのだ。悲しいね。それでも彼女は気丈で、大人びている。14歳にはとても見えない。まあ、世界観からしてそれがごくごく普通のことなのだろうけれども。
ハーヴェイとの出会い。死んでるような青年。おっと、青年は死んでたんだっけ。ん? 死んでたけどよみがえったのか。
なぜ私がキャラクターに4+の高得点をささげているか、というとやはり兵長というキャラに好感を持ったからかもしれない。また兵長も死者だ。いまではラジオに取り憑いてどこかの国のロックミュージックを運んでくる。口の悪さが玉に瑕だが、温厚篤実っていうか実際にいてくれたらいいのになって思った。
キーリに少しずつ心を開いていくハーヴェイも自然な感じがしてよかった。それを打ち砕いてしまう展開は予測できたのだが、読書中の私はそんなことも忘れて読み耽ってしまったのだ。物語に引き込まれるというか、飲み込まれた。
しかし、なぜ5にしないのかというと、キーリという主人公に疎遠な印象を受けたからだろう。なんか、ちょっとできすぎている感が拭い去れなかった。
ストーリーは最近(私の最近はどこからどこまではっきりしないけど)読んだ中で一番のできじゃあないかと思う。続刊もあるらしいので、古本屋で買ってこようと考えている。
スチームパンク、そう著者の壁井氏はあとがきで言っていた。その手のジャンルは好きだ。もう個人の趣味の話になるのでこれくらいにしておくが、哀愁漂うレトロワールドは心のどこかにある前世の記憶を揺さぶってんだろうかね?
◆基本データ
著者:壁井ユカコ
イラスト:田上俊介
出版:電撃文庫
初版:2003/02/25
ジャンル:異世界ファンタジー、退廃系
◆評価
ストーリー:5
文章:4
キャラ:4+
意外性:3
総評:A
その他:
◆あらすじ(電撃屋より抜粋)
孤独な少女が出逢った男は<不死人>だった。
キーリは教会の寄宿学校に通う14歳の少女。霊感が強く霊が見えることから、神の存在や教義に疑問を抱いており、学校でも孤立していた。
冬の長期休暇の初日、キーリは旅の<不死人>の青年ハーヴェイと、その同行者の小型ラジオの憑依霊・兵長と知りあう。不死人は戦争で量産された不老不死の兵士であり、現在は教会に追われる身。自分と同じく霊が見える人間にはじめて出会ったキーリは、彼らの旅についていく事に……。鉄道旅行を続ける中、様々な亡霊たちとの出会いと別れを経験しながら、キーリはやっと自分の居場所を見つけた気がしていた。
――旅の終わりは思いのほか早く訪れる――。ハーヴェイが教会の<不死人狩り>に捕まってしまい、キーリは寄宿舎に帰されてしまったのだ。孤独な日常に戻ったキーリ。しかし、彼女の長くて短い休暇は、終わったわけではなかった……!?
圧倒的なキャラクターの魅力と、お話の面白さで読み手を引き込み離さない超力作。
第9回 電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞作品ついに登場!
イラストは、同じ第9回 電撃ゲームイラスト大賞<大賞>受賞者・田上俊介が担当。
◆書評
言わずと知れた壁井ユカコ氏のデビュー作だ。
始まりの一文を読んで、この小説は面白いっていう感覚がビビビって脳に焼きついた。
ヒロインのキーリの周りには幽霊がいる。幽霊と友人だ。その友人はきれいなツンデレ美少女かなあって私は想像していたのだけれど、彼女が死んだ原因を語る部分でかなりグロい想像をしてしまった。いまでもゾクリとくる。これが身の毛もよだつ、というのだろう。
キーリは幽霊に囲まれているから一人じゃない、ということでもない。幽霊は勝手に消えていく。キーリはおいていかれる存在なのだ。悲しいね。それでも彼女は気丈で、大人びている。14歳にはとても見えない。まあ、世界観からしてそれがごくごく普通のことなのだろうけれども。
ハーヴェイとの出会い。死んでるような青年。おっと、青年は死んでたんだっけ。ん? 死んでたけどよみがえったのか。
なぜ私がキャラクターに4+の高得点をささげているか、というとやはり兵長というキャラに好感を持ったからかもしれない。また兵長も死者だ。いまではラジオに取り憑いてどこかの国のロックミュージックを運んでくる。口の悪さが玉に瑕だが、温厚篤実っていうか実際にいてくれたらいいのになって思った。
キーリに少しずつ心を開いていくハーヴェイも自然な感じがしてよかった。それを打ち砕いてしまう展開は予測できたのだが、読書中の私はそんなことも忘れて読み耽ってしまったのだ。物語に引き込まれるというか、飲み込まれた。
しかし、なぜ5にしないのかというと、キーリという主人公に疎遠な印象を受けたからだろう。なんか、ちょっとできすぎている感が拭い去れなかった。
ストーリーは最近(私の最近はどこからどこまではっきりしないけど)読んだ中で一番のできじゃあないかと思う。続刊もあるらしいので、古本屋で買ってこようと考えている。
スチームパンク、そう著者の壁井氏はあとがきで言っていた。その手のジャンルは好きだ。もう個人の趣味の話になるのでこれくらいにしておくが、哀愁漂うレトロワールドは心のどこかにある前世の記憶を揺さぶってんだろうかね?
◆基本データ
著者:賀東招二
イラスト:四季童子
出版:富士見ファンタジア文庫
初版:1998年 09月 18日
ジャンル:アクション、SF、ラブコメ
◆評価
ストーリー:5
文章:4
キャラ:5
意外性:3
総評:B
その他:
◆あらすじ(webKADOKAWAより抜粋)
都立陣代高校に通う千鳥かなめは、普通の高校生。だが、彼女の平和な学校生活は1人の転校生によって破られる!
外国暮らしが長かったせいなのか、転校生・相良宗介は、何かと言えば銃を発砲、問題解決と言っては校内爆破と軍事オタク丸出しの大ボケ野郎。かなめは彼女に付きまとう宗介をストーカーと断定!?
しかし、修学旅行の飛行機が何者かにハイジャックされた時、宗介の真の姿が!彼こそ世界最強の武装集団《ミスリル》のエリート兵士・相良軍曹。世界すら左右する秘密を持つかなめを、密かに護衛するために派遣されて来たエージェントだったのだ!
仲間の援護が受けられない絶体絶命の状態で今、2人だけの反撃が始まる!?
圧倒的スケールで描かれるSFアクションの金字塔ここに見参!
◆書評
超おもしれー。話の中に自分が組み込まれているような錯覚を抱かせ、どきどきした。文章でここまで魅せられたのは久しぶりだ。話の展開に入る前に、言いたいことがある。それは設定が活き活きしていたということだ。軍事のことには詳しくないわたしでもわりとすんなり読むことができた。さくさく、と読めるのは気分がいい。
話の展開。これがキャラクターノベルかっ!とのけぞるようなほどに面白いキャラで繰り広がる物語。宗介の空回りとかなめの容赦ない突っ込みで笑わせてくれる。話の中盤は少し、だらけることが多いのがラノベの特徴(いままで読んできたのはそういうのが多かった)っぽいのだが、これは違う。コメディとシリアスがくっきりしていてそれぞれに面白みがある。だからこそ飽きずに読み続けれるのだ。
あと、『スレイブ』という言葉が私が通学している高校で英語の単語テストに出てきてラッキーだったw
◆基本データ
著者:賀東招二
イラスト:四季童子
出版:富士見ファンタジア文庫
初版:1998年 09月 18日
ジャンル:アクション、SF、ラブコメ
◆評価
ストーリー:5
文章:4
キャラ:5
意外性:3
総評:B
その他:
◆あらすじ(webKADOKAWAより抜粋)
都立陣代高校に通う千鳥かなめは、普通の高校生。だが、彼女の平和な学校生活は1人の転校生によって破られる!
外国暮らしが長かったせいなのか、転校生・相良宗介は、何かと言えば銃を発砲、問題解決と言っては校内爆破と軍事オタク丸出しの大ボケ野郎。かなめは彼女に付きまとう宗介をストーカーと断定!?
しかし、修学旅行の飛行機が何者かにハイジャックされた時、宗介の真の姿が!彼こそ世界最強の武装集団《ミスリル》のエリート兵士・相良軍曹。世界すら左右する秘密を持つかなめを、密かに護衛するために派遣されて来たエージェントだったのだ!
仲間の援護が受けられない絶体絶命の状態で今、2人だけの反撃が始まる!?
圧倒的スケールで描かれるSFアクションの金字塔ここに見参!
◆書評
超おもしれー。話の中に自分が組み込まれているような錯覚を抱かせ、どきどきした。文章でここまで魅せられたのは久しぶりだ。話の展開に入る前に、言いたいことがある。それは設定が活き活きしていたということだ。軍事のことには詳しくないわたしでもわりとすんなり読むことができた。さくさく、と読めるのは気分がいい。
話の展開。これがキャラクターノベルかっ!とのけぞるようなほどに面白いキャラで繰り広がる物語。宗介の空回りとかなめの容赦ない突っ込みで笑わせてくれる。話の中盤は少し、だらけることが多いのがラノベの特徴(いままで読んできたのはそういうのが多かった)っぽいのだが、これは違う。コメディとシリアスがくっきりしていてそれぞれに面白みがある。だからこそ飽きずに読み続けれるのだ。
あと、『スレイブ』という言葉が私が通学している高校で英語の単語テストに出てきてラッキーだったw
◆基本データ
著者:沖田雅
イラスト:日柳こより
出版:電撃文庫
初版:2004/02/25
ジャンル:SF、ラブコメ
◆評価
ストーリー:3
文章:3(途中、かぎかっこ閉じがなくなっているところがあった。まさか伏線か!?)
キャラ:4
意外性:3
総評:B
その他:
◆あらすじ(電撃屋より抜粋)
第10回 電撃ゲーム小説大賞<銀賞>受賞作
宇宙人もビックリの脱力ラブコメディ!?
12月24日、聖なる夜。
にもかかわらず、先輩とぼくは寒空のもとUFOウォッチングに励んでいました。
先輩は凰林高校一番の変人で、一番の美少女で、そして一番のぼくの好きな人なわけで。
だから、こんなシチュエーションでもぼくはとっても幸せでした。
そう、そのとき! いきなり宇宙人に誘拐されてしまったぼく達だったのです!
いい加減な宇宙人に解剖されたぼく達は脳みそが入れ替わってしまい、もう大変。
かくして「先輩がぼくでぼくが先輩で」が成立してしまい──!?
◆書評
読んでて楽しい。買って得した。
入れ替わり、というのが一番大きなポイントだ。主人公はじめはヒロインつばさ先輩のことが好きで簡単に好きだと言葉にする。なんか、入れ替わりってもっとえっちくしたいよね……あ、私だけか(自重)
つまり、そんなにエロくない。脱力系のゆるゆるした空気、笑いに感化されてしまう。小ネタに吹いたりする。
だが、続刊を買おうと言う気になれなかったのはわくわくする気分が薄れてしまうからかもしれない。読んでいる最中にぐだぐだしてきたように思うこともあった。眠くなる。
zzzzz。。。
◆基本データ
著者:沖田雅
イラスト:日柳こより
出版:電撃文庫
初版:2004/02/25
ジャンル:SF、ラブコメ
◆評価
ストーリー:3
文章:3(途中、かぎかっこ閉じがなくなっているところがあった。まさか伏線か!?)
キャラ:4
意外性:3
総評:B
その他:
◆あらすじ(電撃屋より抜粋)
第10回 電撃ゲーム小説大賞<銀賞>受賞作
宇宙人もビックリの脱力ラブコメディ!?
12月24日、聖なる夜。
にもかかわらず、先輩とぼくは寒空のもとUFOウォッチングに励んでいました。
先輩は凰林高校一番の変人で、一番の美少女で、そして一番のぼくの好きな人なわけで。
だから、こんなシチュエーションでもぼくはとっても幸せでした。
そう、そのとき! いきなり宇宙人に誘拐されてしまったぼく達だったのです!
いい加減な宇宙人に解剖されたぼく達は脳みそが入れ替わってしまい、もう大変。
かくして「先輩がぼくでぼくが先輩で」が成立してしまい──!?
◆書評
読んでて楽しい。買って得した。
入れ替わり、というのが一番大きなポイントだ。主人公はじめはヒロインつばさ先輩のことが好きで簡単に好きだと言葉にする。なんか、入れ替わりってもっとえっちくしたいよね……あ、私だけか(自重)
つまり、そんなにエロくない。脱力系のゆるゆるした空気、笑いに感化されてしまう。小ネタに吹いたりする。
だが、続刊を買おうと言う気になれなかったのはわくわくする気分が薄れてしまうからかもしれない。読んでいる最中にぐだぐだしてきたように思うこともあった。眠くなる。
zzzzz。。。
◆基本データ
著者:七飯宏隆
イラスト:池田陽介
出版:電撃文庫
初版:2005年6月10日
ジャンル:現代、学園、伝奇、アクション
◆評価
ストーリー:2
文章:2
キャラ:1
意外性:1
総評:E
その他:
◆あらすじ(アスキー・メディアワークスより抜粋)
第11回 電撃大賞<大賞>受賞者コンビが贈る学園ストーリー!
ドアを開けたら、目の前にセーラー服姿の少女がいた。
部屋の住人である僕は硬直し…… そして、その少女は叫んだ。
「うおぉっ! じ、自由だっ!」
―― これが、僕・守屋克喜と、彼女・“座敷童の未麟” とのファーストコンタクトだった。
僕は、ちょっとヘンな女の子…… にしか見えないイマドキな座敷童との同居生活を強いられることになってしまい、おまけに今年から通う学園も変わった人たちばっかりで……。
いったい僕はこれからどうなるんだろう……?
◆書評
ギャルゲだ。いや、ギャルゲじゃなくてラノベだけど展開がギャルゲ。
主人公が座敷わらしと同居する物語だ。
座敷わらしには秘密があって、座敷わらしがいないと世界は崩壊してしまうらしい。今では敵のワラシモドキに座敷わらしの数はへってしまい、メインヒロインの未麟は世界を救うことに。そのためにも主人公の力が必要。だから一緒にワラシモドキを倒しハッピーエンド。
三行で終わるなコレ。なんかねー、無駄が多い気がしたよ。読んでて飽きた。主人公も最近増殖しているヘタレだし、面白みが少ない。中途半端、そんな感じ。
伝奇が好きな人がこれを読んだとしても、伝記っぽい感じはしないだろう。学園も微妙。評価するポイントはアクションシーンだろうか。んー、微妙。
◆基本データ
著者:七飯宏隆
イラスト:池田陽介
出版:電撃文庫
初版:2005年6月10日
ジャンル:現代、学園、伝奇、アクション
◆評価
ストーリー:2
文章:2
キャラ:1
意外性:1
総評:E
その他:
◆あらすじ(アスキー・メディアワークスより抜粋)
第11回 電撃大賞<大賞>受賞者コンビが贈る学園ストーリー!
ドアを開けたら、目の前にセーラー服姿の少女がいた。
部屋の住人である僕は硬直し…… そして、その少女は叫んだ。
「うおぉっ! じ、自由だっ!」
―― これが、僕・守屋克喜と、彼女・“座敷童の未麟” とのファーストコンタクトだった。
僕は、ちょっとヘンな女の子…… にしか見えないイマドキな座敷童との同居生活を強いられることになってしまい、おまけに今年から通う学園も変わった人たちばっかりで……。
いったい僕はこれからどうなるんだろう……?
◆書評
ギャルゲだ。いや、ギャルゲじゃなくてラノベだけど展開がギャルゲ。
主人公が座敷わらしと同居する物語だ。
座敷わらしには秘密があって、座敷わらしがいないと世界は崩壊してしまうらしい。今では敵のワラシモドキに座敷わらしの数はへってしまい、メインヒロインの未麟は世界を救うことに。そのためにも主人公の力が必要。だから一緒にワラシモドキを倒しハッピーエンド。
三行で終わるなコレ。なんかねー、無駄が多い気がしたよ。読んでて飽きた。主人公も最近増殖しているヘタレだし、面白みが少ない。中途半端、そんな感じ。
伝奇が好きな人がこれを読んだとしても、伝記っぽい感じはしないだろう。学園も微妙。評価するポイントはアクションシーンだろうか。んー、微妙。
◆基本データ
著者:氷室冴子
カバー装画:古瀬稔
出版:新潮文庫
初版:1994/03/01
ジャンル:現代、日常
◆評価
ストーリー:2
文章:2+
キャラ:1
意外性:0
総評:D
その他:ちびまるこちゃん
◆あらすじ(新潮社より抜粋)
夢みる少女は冒険がお好き――。昭和四十年代の北海道で、小学校四年生のチヅルが友だちや先生、家族と送る、恋と涙の輝ける日々。
◆書評
ひとつひとつ話がバラけている。なんというか印象に残らなかった。
話がすべて一貫しているわけではないので、一番好きな話をひとつピックアップして書こうと思う。
黒い川、という話だ。
6さいも年上のいとこ克志のところへ出かけることになった主人公チヅル。中学三年の克志の住む場所は炭鉱。この炭鉱のなんともいいがたい情景というか明るさの背景に悲しみを含んだ町並みの描写が好きだった。
とくに川の描写。描写と言うか、克志の言い方がイイ!
「こんな川、ほんとに汚いさ。石炭洗ってるから、沈粉で真っ黒だ。したけど、水がきれいになったら、この町ダメになる。汚いのもダメ、きれいなのもダメ。なんもかんもダメなのさ、ここは」201P14-16Lより抜粋。
これは理解と言うよりも感じる言葉やなぁ。
とりあえず退廃的な感じがしたのもポイント。そこにいる人だから分かること、言えるセリフ。ちっともきれいなことばじゃないから、心に染み渡るのかなあ。
じぃんとはこないけど、読んで心がすっきりした。
◆基本データ
著者:氷室冴子
カバー装画:古瀬稔
出版:新潮文庫
初版:1994/03/01
ジャンル:現代、日常
◆評価
ストーリー:2
文章:2+
キャラ:1
意外性:0
総評:D
その他:ちびまるこちゃん
◆あらすじ(新潮社より抜粋)
夢みる少女は冒険がお好き――。昭和四十年代の北海道で、小学校四年生のチヅルが友だちや先生、家族と送る、恋と涙の輝ける日々。
◆書評
ひとつひとつ話がバラけている。なんというか印象に残らなかった。
話がすべて一貫しているわけではないので、一番好きな話をひとつピックアップして書こうと思う。
黒い川、という話だ。
6さいも年上のいとこ克志のところへ出かけることになった主人公チヅル。中学三年の克志の住む場所は炭鉱。この炭鉱のなんともいいがたい情景というか明るさの背景に悲しみを含んだ町並みの描写が好きだった。
とくに川の描写。描写と言うか、克志の言い方がイイ!
「こんな川、ほんとに汚いさ。石炭洗ってるから、沈粉で真っ黒だ。したけど、水がきれいになったら、この町ダメになる。汚いのもダメ、きれいなのもダメ。なんもかんもダメなのさ、ここは」201P14−16Lより抜粋。
これは理解と言うよりも感じる言葉やなぁ。
とりあえず退廃的な感じがしたのもポイント。そこにいる人だから分かること、言えるセリフ。ちっともきれいなことばじゃないから、心に染み渡るのかなあ。
じぃんとはこないけど、読んで心がすっきりした。
今日は〈初恋さん〉とカラオケに行った。
いつもどおりのかわいさといつもどおりのきれいな声。
トゲトゲしてるっつうかなんか近づきにくい感じなんだよな。
◆ ◆ ◆
僕はカラオケで待ち合わせだったからカラオケのロビーで待ってた。
待ち合わせの五分前、けっこうぎりぎりで着いた。彼女のこと待たせたんじゃないかって不安になりながらチャリを留めて、入店する。
なんでそんなにあわてていたのかというと、お金がなかったからだ。いや、ないと言うのは小銭のことで、僕は万札しか持ち合わせていなかった。前日に親からもらっておけばよかったと後悔しつつも本屋に入り、青ペンを一本買った。青ペンはアクアブルーでなんとなくそのときの僕の気持ちを表しているなぁなんてポエマー気取りになっていた。ポエマーもどきは急いでカラオケに向かった、というわけである。
で、13時ちょうど。
こない。彼女がこない。〈初恋さん〉がカラオケにこないんだ。
いつかくるだろうと思い、僕は友人に教えてもらった『人生オワタ\(^o^)/の冒険』をやる。ステージ6まで行ったとき、時刻を見るとすで待ち合わせの時間から13分も過ぎていた。
どうしたんだろう。遅いなあ……。
僕は『今日どうしたの?』的なニュアンスのメール文を打ち始める。一言一言に細心の注意を払ってのことだ。
ぶぅぅぅぅっ。
【新着メール アリ】
〈初恋さん〉からかもしれないと、書いていた文を下書きに保存し、受信メールボックスを開く。
【〈初恋さん〉】
初恋さんからだ。僕は『今日、いけないわ。ごめん』と書かれてそうなメールを開けた。
『今日だよね、カラオケ行くの。
無理なの?』
おかしい。僕はここにいる。ちゃんと待ち合わせの場所にいる。時間だってちゃんと(?)五分前に着いた。そのときは〈初恋さん〉いなかったじゃないか。
これまた細心の注意を払って恐る恐るメールを返信した。
『カラオケ行けるよ。
え、もしかして今日は無理だったか?』
僕が待ってることは伏せた。あいつ、人を待たせたり人に迷惑かけたりするの嫌ってる。ほんと、親切なやつ。そういうところに僕は惚れたのかもしれない。ラブじゃなくてライクなのかもしれない。どっちかわからない。
【新着メール アリ】
【Re:〈初恋さん〉】
僕よりメールを打つのが早い。さすが女子高生だ。
『俺は、無理じゃないけど。
いまどこ?』
一人称は『俺』。彼女は腐女子だ。
腐女子がなんだ!と叫んでやりたい。それは〈初恋さん〉の大事な個性だ。僕の好きな〈初恋さん〉の一部なんだ。
『え、いま、カラオケにいるよ?』
日本語がおかしいのは僕の特徴。だめだね、小説家目指してるとか言ってるやつがこんなんじゃ。これじゃワナビ以下だ。
しばらくするとカラオケボックスのロビーに続く自動ドアが開き、待ちに待った〈初恋さん〉が登場してくださった。
「こっちにいたのか。気づかなかったぜ」
「ごめん」
やばい、声が震える。言葉が続かない。頭がぐらぐらする。体が熱い。
のぼせた風な僕は、カラオケの会員カードを紛失しましたと丁寧に店員に伝える彼女を、僕なんかより相当大人だって思いながらほうけて眺めていた。
「お連れの方の身分証明書は?」
〈初恋さん〉は小さめな体に紺色のダッフルコートを羽織って、細いけど躍動的な脚に黒いジーンズを穿いている。靴は革靴。学校には革靴で行くのだろうか? やけに手入れがされているようで電灯の淡い光に黒光りしていた。
「おい。さいとう」
好きな声。少し低い声なのが僕の好みだ。だからかな、CLANNADの坂上智代も好きなキャラである。まあ、智代よりも〈初恋さん〉のほうが百倍かわいい声だけど。
「さいとう、おい」
え、僕!?
あぁ、カードね。身分証明書として学生証を店員に渡そうとバッグを探る。学生証は掴んだが、手が震えてうまく取り出せない。震えながらも学生証を取り出し、店員にパスアラウンド。
住所とかいろいろ作ってカードを作る。
サービスドリンクはウーロン茶。
部屋に案内された。
105号室。二人っきりのカラオケボックス。
「悪いな」
カード作るのに手間をかけたことぐらいで。
「いいよ」
彼女はダッフルコートを脱いだ。黒いフードつきパーカー(?)だ。胸が大きい。横から見れば一目瞭然なんだけど、とにかく〈初恋さん〉の胸は大きかった。大きいだけでなく、新幹線の先端部分のように形が整っていて、優美な曲線が描かれている。
それに僕はドキドキしながらちょっとばかし妄想してしまった。にやにやしそうだったので曲目に集中させる。うっし、これにしよう。
歌が始まった。
僕が最初に歌った曲はバンプの『ハイブリッドレインボウ』だ。緊張してうまく声が出せず、点数は19点だった。僕はかなりの音痴だと周りは言う。自分でも音痴だと周りに公言するけど、実際のところ僕が音痴だとは自覚できていない。僕、ちゃんと歌えばうまいと思うんだけどなあ。
彼女も歌を歌い始めた。自分で風邪だと言っていて、85点越えたら風邪は治ったことにするらしい。
実は僕も風邪だった。いや、のどが痛いだけだ。でも言わないさ、無用な心配かけたくない。
そうこうしているうちに時は過ぎ、テレビに差していた邪魔な日差しも消えていき、16時を回った。
僕らはカラオケの外に出て、告白しようかとやきもきする。
「一緒に帰ろうよ」
僕がどきどきしながら言葉を発した。大丈夫震えていない。
「えー、無理。今日は用事がある。俺、寄らなきゃいけないところがあるんだ」
「そ、そっか」
この瞬間、僕の気持ちはヘリウムの抜けた風船みたいにしぼんで、地面すれすれで怖気づきながら浮いているようになった。
「じゃあな」
彼女がさきに別れの挨拶を言って、立ち去ろうとする。
自分でもなに言ってるか分からなかったが、『十二月にまた会おう』的なことを口走っていたに違いない。
〈初恋さん〉はガソリンスタンドの横を通り抜け、姿を消していった。
たった一言「好きだ」と言えない。『好き』という言葉には大切な人と一緒にいたいとか守りたいとかそういう決意の気持ちも込められた非常に深い言葉なのだと思う。それだからこそ、僕は自分の意思を伝えたく思っていたのに。言わなきゃ覚悟がないのだ、勇気もないのだ。ヘタレなのだ。
僕は臆病者でバカだ。バカバカしいほどにヘタレで、ヘタレなバカだ。
チャリを漕いだ。行き先は不明。
自分で自分を殴りたくなる。
携帯が鳴る。
【〈初恋さん〉】
『もうすぐ雨降りそうだから、早く帰れよ?』
まったく、あいつはいつでも親切だ。
彼女は僕のこと、好いているのだろうか。好いていて欲しい。この前の(今年の夏休みのことだ)告白未遂事件から、彼女も僕を意識している(はずだ)。
女子の気持ちは分からない。人の気持ちは分からない。でも告白を待っているのかもしれないなんて僕は思う。告白しなかった僕は自分の心を裏切って、〈初恋さん〉までも裏切った。
本当に本当に、×××。
今日は〈初恋さん〉とカラオケに行った。
いつもどおりのかわいさといつもどおりのきれいな声。
トゲトゲしてるっつうかなんか近づきにくい感じなんだよな。
◆ ◆ ◆
僕はカラオケで待ち合わせだったからカラオケのロビーで待ってた。
待ち合わせの五分前、けっこうぎりぎりで着いた。彼女のこと待たせたんじゃないかって不安になりながらチャリを留めて、入店する。
なんでそんなにあわてていたのかというと、お金がなかったからだ。いや、ないと言うのは小銭のことで、僕は万札しか持ち合わせていなかった。前日に親からもらっておけばよかったと後悔しつつも本屋に入り、青ペンを一本買った。青ペンはアクアブルーでなんとなくそのときの僕の気持ちを表しているなぁなんてポエマー気取りになっていた。ポエマーもどきは急いでカラオケに向かった、というわけである。
で、13時ちょうど。
こない。彼女がこない。〈初恋さん〉がカラオケにこないんだ。
いつかくるだろうと思い、僕は友人に教えてもらった『人生オワタ\(^o^)/の冒険』をやる。ステージ6まで行ったとき、時刻を見るとすで待ち合わせの時間から13分も過ぎていた。
どうしたんだろう。遅いなあ……。
僕は『今日どうしたの?』的なニュアンスのメール文を打ち始める。一言一言に細心の注意を払ってのことだ。
ぶぅぅぅぅっ。
【新着メール アリ】
〈初恋さん〉からかもしれないと、書いていた文を下書きに保存し、受信メールボックスを開く。
【〈初恋さん〉】
初恋さんからだ。僕は『今日、いけないわ。ごめん』と書かれてそうなメールを開けた。
『今日だよね、カラオケ行くの。
無理なの?』
おかしい。僕はここにいる。ちゃんと待ち合わせの場所にいる。時間だってちゃんと(?)五分前に着いた。そのときは〈初恋さん〉いなかったじゃないか。
これまた細心の注意を払って恐る恐るメールを返信した。
『カラオケ行けるよ。
え、もしかして今日は無理だったか?』
僕が待ってることは伏せた。あいつ、人を待たせたり人に迷惑かけたりするの嫌ってる。ほんと、親切なやつ。そういうところに僕は惚れたのかもしれない。ラブじゃなくてライクなのかもしれない。どっちかわからない。
【新着メール アリ】
【Re:〈初恋さん〉】
僕よりメールを打つのが早い。さすが女子高生だ。
『俺は、無理じゃないけど。
いまどこ?』
一人称は『俺』。彼女は腐女子だ。
腐女子がなんだ!と叫んでやりたい。それは〈初恋さん〉の大事な個性だ。僕の好きな〈初恋さん〉の一部なんだ。
『え、いま、カラオケにいるよ?』
日本語がおかしいのは僕の特徴。だめだね、小説家目指してるとか言ってるやつがこんなんじゃ。これじゃワナビ以下だ。
しばらくするとカラオケボックスのロビーに続く自動ドアが開き、待ちに待った〈初恋さん〉が登場してくださった。
「こっちにいたのか。気づかなかったぜ」
「ごめん」
やばい、声が震える。言葉が続かない。頭がぐらぐらする。体が熱い。
のぼせた風な僕は、カラオケの会員カードを紛失しましたと丁寧に店員に伝える彼女を、僕なんかより相当大人だって思いながらほうけて眺めていた。
「お連れの方の身分証明書は?」
〈初恋さん〉は小さめな体に紺色のダッフルコートを羽織って、細いけど躍動的な脚に黒いジーンズを穿いている。靴は革靴。学校には革靴で行くのだろうか? やけに手入れがされているようで電灯の淡い光に黒光りしていた。
「おい。さいとう」
好きな声。少し低い声なのが僕の好みだ。だからかな、CLANNADの坂上智代も好きなキャラである。まあ、智代よりも〈初恋さん〉のほうが百倍かわいい声だけど。
「さいとう、おい」
え、僕!?
あぁ、カードね。身分証明書として学生証を店員に渡そうとバッグを探る。学生証は掴んだが、手が震えてうまく取り出せない。震えながらも学生証を取り出し、店員にパスアラウンド。
住所とかいろいろ作ってカードを作る。
サービスドリンクはウーロン茶。
部屋に案内された。
105号室。二人っきりのカラオケボックス。
「悪いな」
カード作るのに手間をかけたことぐらいで。
「いいよ」
彼女はダッフルコートを脱いだ。黒いフードつきパーカー(?)だ。胸が大きい。横から見れば一目瞭然なんだけど、とにかく〈初恋さん〉の胸は大きかった。大きいだけでなく、新幹線の先端部分のように形が整っていて、優美な曲線が描かれている。
それに僕はドキドキしながらちょっとばかし妄想してしまった。にやにやしそうだったので曲目に集中させる。うっし、これにしよう。
歌が始まった。
僕が最初に歌った曲はバンプの『ハイブリッドレインボウ』だ。緊張してうまく声が出せず、点数は19点だった。僕はかなりの音痴だと周りは言う。自分でも音痴だと周りに公言するけど、実際のところ僕が音痴だとは自覚できていない。僕、ちゃんと歌えばうまいと思うんだけどなあ。
彼女も歌を歌い始めた。自分で風邪だと言っていて、85点越えたら風邪は治ったことにするらしい。
実は僕も風邪だった。いや、のどが痛いだけだ。でも言わないさ、無用な心配かけたくない。
そうこうしているうちに時は過ぎ、テレビに差していた邪魔な日差しも消えていき、16時を回った。
僕らはカラオケの外に出て、告白しようかとやきもきする。
「一緒に帰ろうよ」
僕がどきどきしながら言葉を発した。大丈夫震えていない。
「えー、無理。今日は用事がある。俺、寄らなきゃいけないところがあるんだ」
「そ、そっか」
この瞬間、僕の気持ちはヘリウムの抜けた風船みたいにしぼんで、地面すれすれで怖気づきながら浮いているようになった。
「じゃあな」
彼女がさきに別れの挨拶を言って、立ち去ろうとする。
自分でもなに言ってるか分からなかったが、『十二月にまた会おう』的なことを口走っていたに違いない。
〈初恋さん〉はガソリンスタンドの横を通り抜け、姿を消していった。
たった一言「好きだ」と言えない。『好き』という言葉には大切な人と一緒にいたいとか守りたいとかそういう決意の気持ちも込められた非常に深い言葉なのだと思う。それだからこそ、僕は自分の意思を伝えたく思っていたのに。言わなきゃ覚悟がないのだ、勇気もないのだ。ヘタレなのだ。
僕は臆病者でバカだ。バカバカしいほどにヘタレで、ヘタレなバカだ。
チャリを漕いだ。行き先は不明。
自分で自分を殴りたくなる。
携帯が鳴る。
【〈初恋さん〉】
『もうすぐ雨降りそうだから、早く帰れよ?』
まったく、あいつはいつでも親切だ。
彼女は僕のこと、好いているのだろうか。好いていて欲しい。この前の(今年の夏休みのことだ)告白未遂事件から、彼女も僕を意識している(はずだ)。
女子の気持ちは分からない。人の気持ちは分からない。でも告白を待っているのかもしれないなんて僕は思う。告白しなかった僕は自分の心を裏切って、〈初恋さん〉までも裏切った。
本当に本当に、×××。
■キャスト
監督:矢口史靖
■あらすじ
たくさんの人々が出入りする巨大な空港。上空には一日何百機という飛行機が行き交い、発着しています。
ある日のホノルル行きチャーター便に関わるたくさんの人々。パイロット、キャビンアテンダント、グランドスタッフ、管制官、オぺーレーションセンター、整備士そして乗客らが、定刻の出発に向けてそれぞれ準備をしています。天気は良好、白く輝くジャンボジェット、すべてが整ってまもなくTAKE OFF! ……あれ!?矢口監督の映画で何にも起こらないはずはないですよね! さあ、チェックインはお済みですか?どうぞハッピーな空の旅を存分にお楽しみ下さい。
■感想
ウォーターボーイズ、スウィングガールズ、などを手がけた矢口監督の最新作品だ。
いままでふたつの作品には青春など心躍る楽しさがあった。ノリもよい。そういった面白味もさることながら、今回は人それぞれの小さい劇のような作品だった。TEH・有頂天ホテルとまではいかないがそんな空気を出していた。
まぁ、なんというかイチバン面白いのは航空機の中で行われるCAと客のやり取りだった。次に面白いのは副操縦士の話。お調子者でヘタレな感じ。そこが面白い。やはり面白おかしく物語を作るならキャラクターの欠点を全面的に押しやるといいことを思い起こさせた。
それと2009年は『航空100年』だそうだ。
なにか記念して物語を作ってみたいね。